それぞれのタイプに合わせて、最適な商品配置を行うためにも、まずは母店であるFFHで売れ筋を検証する必要がある。だからこそFFHは、通常の既存店と比べてメニュー数が多いのだ。
「FFHでABC分析(売上高やコストなどの指標に基づいて、商品メニューを3つにランク分けするマーケティング手法)を行ってきた中、売れ筋と死に筋が見えてきている。それぞれの店舗のスペースやリソースに合わせ、最適なメニュー配置や、オペレーションの効率化を図っていく」(小山氏)
モール内の出店に依存していた功罪
客席20程度のリミテッドタイプであれば、フードは看板商品であるチョコクロだけに絞っても勝負できる。駅ナカであれば、家族や商談先のお土産需要も喚起されるはずで、テイクアウトに振り切ってオペレーションを最小限に抑えてもいいはずだ。
これがサテライト店舗となれば、勝手は異なる。営業時間の兼ね合いや、館が午後から賑わう環境もあるため、昼以降の需要に特化するのが合理的だ。対して人流が多いマザーストアであれば、朝・昼下がり・夕方以降で、客層や出るメニューにもばらつきが出るため、守備範囲を広くしておく必要がある。
冷静に考えれば、箱に合わせたメニュー構成やオペレーションの合理化は、当たり前のことかもしれない。ただ、サンマルクのような大手チェーンであれば、なかなか難しい事情もある。当然これまでも路面店への出店を続けてきた中、店舗ごとに合わせた最適化は盲点だったという。実は、ここにも「モール内の出店に依存していた功罪」が隠れていた。
「今まではショッピングセンター中心に、効率重視でやってきたので、採算が取れれば開業する方向性だった。いわゆる“個店プレー”に近いというか、店舗ごとに集客や賃料などの条件を鑑みて、出店判断を下す考え方でした。
こうしたスポットで出店する考え方が定着すると、広くマーケットを見る感覚や、店舗ごとに最適化する嗅覚が培われない。極論を言えば、収益さえ上がれば問題ないので、細かい微調整までは意識が向かなかった。
一転、現在は、FFHで売れ筋や売り上げなどのデータを取り、出店予測のデータを精緻にしている。これらを店舗展開に反映していくと、自然とドミナント出店(特定の地域に集中的に店舗を配置し、エリア内でのブランド認知度と市場シェアを独占的に高めつつ、物流や人材などの効率化も図る経営戦略)に寄っていく。これからは単発での出店ではなく、エリアでマーケットを取りにいく」(小山氏)
