一方で、商業施設内への出店は、融通が利かない側面も大きい。固定賃料に加え、売り上げ歩率や共益費の支払い、館の都合による改装の負担がかかる。営業時間の制約や、他テナントとの価格調整を求められる場合も珍しくない。
加えて、開業から時間が経過するごとに、集客力は弱まっていくのが通例だ。モール自体の数も増えていくことで、来場客を食い合う構図も加速していった。いわばモール内の出店は、開業は容易な反面、営業を続ける上では制約が多いわけだ。
こうした運営面での問題に、ホールディングス全体で店舗数を伸ばす方向性が重なり、収益面での歪みが深くなっていった。
サンマルクホールディングス代表取締役社長の藤川祐樹氏によれば、コロナ禍以前はグループ全体で1000店舗を目指しており、月商が小さい箱でも「やや無理に出店していた」実態もあったという。結果、少しでも売り上げが下がると、赤転する店舗が数多くあったと振り返る。
ドミナント出店を強化
大量閉店のあらすじは上記の通りだが、サンマルクは憂き目を経て、なぜメニュー数の多い新コンセプト店を立ち上げたのか。サンマルクカフェ代表取締役社長の小山典孝氏は、新コンセプトのFFHモデル店舗を「これから立て直しを進めていくための、母店となる位置付け」と称する。
過去に比重を置いていたモール内の経営が厳しくなり、今後は路面店の強化を図っていく中、新しい出店基準や経営モデルが必要となる。これから反転攻勢をかけていくサンマルクにとって、FFHの新コンセプトがその足がかりとなるという。
具体的には、出店立地や坪数で3つのタイプに分類して、出店フォーマットを確立していく。
まず1つ目は、FFHのような駅近で路面の「マザーストア」。2つ目は、モール内にあるような既存の「サテライト店舗」。3つ目は、駅ナカにあるようなコンパクトな「リミテッドタイプ」。簡単に言えば、「大・中・小」とカテゴライズして、箱の大きさに合わせてメニュー数を調整する。
