週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #消滅寸前ビジネス

460軒が消えた業界で「1日700人」を集める寿湯、元プロボクサー3代目が語る「銭湯がなくなった街」の行方

16分で読める
高層マンションを背に建つ寿湯。歴史を感じさせる宮造りの建物は存在感がある(写真:筆者撮影)

INDEX

高層マンションが立ち並ぶ東京・東上野の一角に、神社仏閣を思わせる宮造りの建物が佇んでいる。都内屈指の人気を誇る銭湯「寿湯」だ。

時刻は9時30分。玄関をくぐり脱衣所へ足を踏み入れると、浴場の奥からタイルをブラシでこする軽快な響きと、勢いよく湯をまいて床を流す音が聞こえてきた。5人のスタッフが手分けして、床や浴槽、壁、脱衣所、サウナなど至るところを丁寧に磨き上げていく。時折「キュッキュッ」という音が響いてきて清々しい気持ちになる。

5人のスタッフがそれぞれの持ち場を丁寧に磨き上げる(写真:筆者撮影)
【写真を見る】460軒が消えた業界で「1日700人」を集める寿湯、元プロボクサー3代目が語る「銭湯がなくなった街」の行方(26枚)

絶滅危惧種になりつつある銭湯の風景

10時50分にはスタッフが集まり「いらっしゃいませ!」「はい、かしこまりました!」と全員で復唱を開始。3時間にわたる掃除を終え、11時の開店と同時にふたりのお客さんが暖簾をくぐった。おそらく常連客なのだろう、スタッフとにこやかに挨拶を交わし脱衣所へ向かう。

おそらく、どこの銭湯でも繰り広げられてきた風景だ。しかしそれは今、絶滅危惧種になりつつある。

銭湯業界は深刻な廃業ラッシュが続いている。燃料費高騰や設備老朽化、後継者不足などの影響で、東京都内ではこの15〜20年で約460軒以上の銭湯が姿を消した。

次ページが続きます:
【現在、東京の銭湯は420軒程に…】

2/10 PAGES
3/10 PAGES
4/10 PAGES
5/10 PAGES
6/10 PAGES
7/10 PAGES
8/10 PAGES
9/10 PAGES
10/10 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象