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ライフ #消滅寸前ビジネス

460軒が消えた業界で「1日700人」を集める寿湯、元プロボクサー3代目が語る「銭湯がなくなった街」の行方

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高層マンションを背に建つ寿湯。歴史を感じさせる宮造りの建物は存在感がある(写真:筆者撮影)
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現在は寿湯と、ひだまりの泉 萩の湯、そして会社で買い取った「白山湯」の3店舗で月1回の経営会議を開催。各店のスタッフが3店舗を巡回し、清掃方法からイベントの成功例・失敗例まで知見を共有している。個人商店でありながら、ファミリーの力で「チーム経営」を実現しているのだ。

銭湯は「地域インフラ」としての役割がある

清掃を徹底し、イベントでお客さんを呼び、兄弟で支え合う。亮三さんがそこまでして銭湯を続ける理由は、経営の数字だけでは説明できない。寿湯を営むなかで、亮三さんはある気づきを得たという。銭湯は「お風呂に入る場所」以上の存在だということだ。

「お風呂に入らないと、高齢者のなかには1日も家から出ない人がいます。銭湯に来ることで、家を出て、お客さん同士やうちのスタッフと会話ができる。銭湯はコミュニケーションの場なんです」

薬師湯での修業時代に忘れられない出来事があった。いつも来ていた高齢の常連客が突然姿を見せなくなったのだ。心配したスタッフが自宅を訪ねると、その男性は倒れていた。幸い一命を取りとめ、回復後にまた薬師湯に通うようになったという。亮三さん自身も、寿湯のオーナーになってから体調を崩したお客さんを自宅まで送り届けたことがある。

「近所の方がいっぱいいらっしゃるので、お互いにみんな知ってます」という言葉からも、寿湯が地域のインフラとしての役割を担っていることがわかる。

地元の子どもたちから届いた、心温まるメッセージ(写真:筆者撮影)

毎月発行する「寿湯だより」の存在も見逃せない。薬湯の予定や店主のひと言を載せたニュースレターで、長男・秀三さんの「薬師湯だより」を手本にはじめたものだ。まるで亮三さんとお喋りをしているかのような温かい内容で、デジタルの時代に紙の便りが常連客との絆を深めている。

寿湯だより。4月号の「店主からのひとこと」では、1994年のWBC世界バンタム級王座統一戦「辰吉丈一郎vs薬師寺保栄」について語られている(写真:筆者撮影)

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【「銭湯が消えた街からは、なにが失われると思いますか」】

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