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460軒が消えた業界で「1日700人」を集める寿湯、元プロボクサー3代目が語る「銭湯がなくなった街」の行方

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高層マンションを背に建つ寿湯。歴史を感じさせる宮造りの建物は存在感がある(写真:筆者撮影)
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家風呂にはなくて、銭湯にあるもの。それを守り続けるために、なにが必要なのだろうか。

言うは易し、実行するのは難しい「温故知新」

「『古き良き』を残しつつ、プラスアルファをしていかないと。じいちゃんの『清潔・きれいは基本』という教えをしっかり守りつつ、新しいことを取り入れて現代風に変えていくという方針でやってます」

お客さんを笑顔で迎え入れる3代目オーナーの長沼さん(写真:筆者撮影)

温故知新という言葉がある。言うのは簡単だが、実行するのは難しい。

取材中、印象に残った場面がある。通常より早い時間に暖簾をかけていたためか、窓の外からお客さんがそっと店内の様子をうかがっていた。それに気づいた亮三さんはすぐに窓を開けて、「まだなんですよ。ごめんなさい」と声をかけた。

するとお客さんは笑って立ち去った。まるで隣の家に声をかけるような距離感だった。

数々の困難に体当たりで立ち向かう亮三さんを支えているのは、銭湯への愛情と、歴史をつないできた家族へのリスペクトだろう。だが、寿湯が人を惹きつけ続けている本当の理由は、あの窓越しのやり取りに詰まっている気がした。

【合わせて読む→→→】前編:15年で460軒消滅…「花咲くどころかつぼみにもならず」のボクサーが38歳で挑んだ"第二のリング"は「沈みゆく銭湯」だった

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