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460軒が消えた業界で「1日700人」を集める寿湯、元プロボクサー3代目が語る「銭湯がなくなった街」の行方

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高層マンションを背に建つ寿湯。歴史を感じさせる宮造りの建物は存在感がある(写真:筆者撮影)
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「ボクシング部に所属していた大学時代、ひとり暮らしをしていた部屋のお風呂がユニットバスでした。家風呂だと、どうしても足を伸ばせないじゃないですか。でも銭湯なら、広い湯船で手足を広げてゆっくりつかることができる。ハードな練習でたまった疲れも取れるし、リラックスもできてすごくいいなと実感したんですよね」

銭湯が初めての人でも、体験してもらえれば良さが伝わるはず。まずは1回、寿湯に来てもらうきっかけをつくろう――。

サウナや露天風呂といったハード面は、すでに次男・雄三さんが改修している。そこで亮三さんは"ソフト面"で攻めることにした。こだわったのは、家風呂にはない「楽しさ」「ワクワク感」だ。

現在の洗い場(写真:筆者撮影)
元薪置き場を改修してつくられた露天風呂(写真:長沼亮三さん提供)

年間約50種類、江戸っ子好みの「日替わり湯」

亮三さんが力を入れたのが「日替わり湯」だ。44〜45度という江戸っ子好みの高温に設定された薬湯に、毎日異なるお湯を用意した。その内容は、「海洋深層水」「檜の香り」「コラーゲン」といった定番から、「パインアメ」「ココアシガレット」など、遊び心あふれるものまで多岐にわたる。

さらに月の前半と後半で、1日限定のイベント湯も開催することにした。次男・雄三さんの時代には月1回だったイベント湯を月2回に増やし、バレンタインデーには「チョコレート風呂」、卒業や入学の時期には「イチゴ牛乳風呂」といった独創的なラインナップでお客さんをもてなす。通常の日替わり湯と合わせて、年間で約50種類ものバリエーションがあるというから驚きだ。

クラフトコーラメーカーによる本格的なコーラ風呂が体験できる「イヨシの湯」(写真:長沼亮三さん提供)
ロッテの「雪見だいふく」とコラボした甘く優しい香りの「雪見だいふくな湯」(写真:長沼亮三さん提供)

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【果敢に取り組んだコラボレーションイベント】

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