「新しく建てたほうの家も、現在は築40年ほど。両親は現在もこの家で生活しています。帰省の頻度は年に3回ほどで、時々母がこちらに遊びにくることもあります」
実家の整理に着手したのは2024年のことだった。仕事で実家じまいに取り組む人に出会う機会があったことや、同業者が集まるコミュニティでも実家じまいが話題にのぼることがあり、「親が元気なうちにやったほうが負担が軽い」と聞いたのがきっかけだった。
保険、資産、遺影…親から聞いておくべき「情報」とは
「うちは弟が早くに亡くなっていて、相続するのは私一人。父も母もまだ動ける今のうちに、うちも何かしておいたほうが……と考えるようになりました。モノの処分は後からでもできるけれど、親にとって大切なものや残したいものはしっかり聞いておきたい、と考えたのが始まりでした」
親の死後のことを親本人に切り出すのは、やはり抵抗を感じるものだ。特に藤野さんの実家はいわゆる「本家」で、家に対する父の思い入れも感じていただけに、実家じまいにはネガティブな反応をされると予想していた。が、いざ話を切り出してみると、意外な反応だった。
「思い切って親に実家の今後について切り出してみたんです。すると両親からも『考えないといけないのはわかっていた』と前向きな答えが。ただ、手や足を動かすのは面倒なようで、動きが鈍かったので、それならと私が両親の意思をメモしておくことにしました」
加入している保険のことや資産状況、さらには遺影で使ってほしい写真のこと。終活で使われる「エンディングノート」に書き留めておくような内容を、藤野さんが両親にヒアリングしていった。
「〇〇はどこ?と聞くと、『あの引き出しに』と指をさすので、実際に確認してメモしておく……というように、私が動きながら情報の整理を進めていきました。相続すべきものもいくつかあるので、こうした情報がまとまったことで少し安心できました」
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【実家の処分は「父を見送ってから考えよう」】
