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戦争は長引くほどイランに有利で今後は共和党議員の造反雪崩も?トランプ大統領は果たして「TACO」ることができるのか

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閣議でも饒舌なトランプ大統領。はやめに「TACO」ることを考えているはずだ(写真:UPI/アフロ)

イラン攻撃に伴う「ホルムズ海峡の事実上の封鎖」という事態を受けて、日本国内も風雲急を告げている。

エネルギーは「正義」で論じてはいけない

なにしろ、わが国の石油輸入における中東依存度は9割を超える。政府は素早く、3月26日から石油の国家備蓄の放出を開始した。すでに先行して民間が保管する15日分を放出しており、これに国家備蓄の30日分を追加することになる。備蓄は合計で254日分というから、まだ余力はある。3月19日からは、ガソリン価格の上昇を抑える補助金支給も開始した。全国平均小売価格を1リットル=170円程度に抑える狙いだという。

ここは意見がわかれるところかもしれないが、「皆さん、省エネと再エネで国難を乗り切りましょう!」式のケチくさい(しかし否定しにくい)呼びかけをしないところは、高市内閣のいいところだと思う。肝心の「ブツ」が国内にあるとわかれば、消費者心理も落ち着くだろうし、物流段階で変な「買い占め・売り惜しみ」が起きにくくなるというものだ。

LNG(液化天然ガス)について言えば、日本の中東依存度は11%と低く、豪州やマレーシアなどの太平洋地域がメインの調達先である。しかも全体の8割が長期契約で、価格変動は少なくて済みそうだ。「サハリン2」からの輸入も、対ロシア経済制裁を棚上げして残しておいたことが「吉」と出た。エネルギーは、つくづく「正義」で論じちゃいけないのである。

問題は残り2割のスポット調達分である。今回はイランのドローン攻撃により、全世界のLNG供給の2割を担うカタールで製造が止まっている。日本のカタールへの依存度は4%にすぎないが、台湾は5割超、韓国が37%だという。これらの需要はスポット市場に殺到するだろうから、日本勢の「買い負け」が心配になるところだ。

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【日本はどんな手を打てるのか?】

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