戦争は長引くほどイランに有利で今後は共和党議員の造反雪崩も?トランプ大統領は果たして「TACO」ることができるのか

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「政治とは日程なり」の原則から考えると、この後に控える重要日程は開戦からちょうど60日目となる4月29日であろう。

アメリカではベトナム戦争で歯止めがかからなくなった経験から、「1973年戦争権限決議」(War Powers Resolution)が定められている。大統領が議会への事前承認なしに武力行使を開始した場合、①48時間以内に議会に通告し、②そこから60日以内に議会承認が必要とされ、③議会承認が得られない場合は30日以内に撤収すべし、とのルールがある。今回のケースに当てはめれば、4月29日が「開戦から60日目」に該当する。

議会ではすでに民主党側から、数度にわたって「戦争制限決議」が提出され、その都度、共和党の反対多数で否決されている。それでもトランプ政権は、「武力行使承認決議」(AUMF=Authorization for Use of Military Force)をまだ得ていない。

このルール、過去にはかなり融通無碍に使われてきた経緯がある。それでも戦況が改善されず、特に国民生活への影響が広がった場合には、4月29日が「締め切り」としての重みを増すことになるだろう。「戦争支持は、家計に直結した瞬間に崩れる」ともいう。法律で戦争が止まるということはなくても、「政治的にもたない!」となった瞬間に止まるということは大いにありそうだ。

共和党ケンタッキー下院予備選機に「造反の雪崩現象」?

何より、中間選挙はすでに予備選挙が始まっている。中でも注目はケンタッキー第4区の下院議員選挙である。共和党現職のトーマス・マッシー下院議員は、エプスタイン文書問題などで大統領を批判し、現在、選挙区に「刺客候補」を立てられている。開戦中の3月11日、トランプ大統領はわざわざケンタッキー州に乗り込み、MAGA派を相手にマッシー議員をこき下ろす選挙演説を行っている。逆にリバタリアンであるマッシー議員は、「戦争反対」も訴えて「反・トランプ」の旗幟を鮮明にしている。

同地区の予備選挙は5月19日に予定されている。ここでマッシー氏が相手候補に打ち勝ったらどうなるか。他の共和党議員も一斉に、「トランプ神話はもう怖くない」とばかりに造反に雪崩を打つかもしれない。となれば、トランプ大統領が11月3日の中間選挙本番を待たずして、レームダック化することも考えられる。

つまりイラン情勢と石油価格高騰は、予備選挙の結果という形で近い将来にトランプ政権を直撃する可能性がある。逆にトランプ大統領としては、こういう国内の「締め切り」を睨みながら、イラン相手に「TACO」の機会を探る展開となるだろう(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。週末は国内外で「2つの夢」を叶えたい
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