週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場

戦争は長引くほどイランに有利で今後は共和党議員の造反雪崩も?トランプ大統領は果たして「TACO」ることができるのか

10分で読める
2/5 PAGES
3/5 PAGES

前回の記事「『戦略なきアメリカのイラン攻撃、皆が納得した『パウエル・ドクトリン』を完全無視した『トランプ流戦争術』の危うさ」(3月14日配信) で詳述した通り、伸縮自在な「トランプ流戦争術」としては早いところこの戦争を手仕舞いにしてしまいたい。お得意の「TACO」(Trump Always Chickens Out.=トランプはいつも最後に日和る)を発動して、「われわれは勝利した」「目標は達成した」ということにして戦争を終わらせてしまいたいはずである。

戦争は時間が経てば経つほどイランに有利

ところがイラン側は、アメリカと戦争して勝てるような軍事力はないものの、世界経済を人質に取って、存分に暴れてみせる覚悟のようだ。何となれば、海の上では船舶などの安全を守るよりも、攻める方が圧倒的に有利なのである。

Sea Control(制海権)、すなわち特定の海域を支配して海上交通の安全を確保することは、強力な軍事力があっても容易なことではない。逆に弱者によるSea Denial(海上拒否)は簡単で、機雷やドローンなど比較的安価な兵器で「敵に海を使わせない」ようにすればよい。99隻のタンカーを見逃しても1隻のタンカーを沈めれば、それだけで海上保険の料金は跳ね上がり、世界中の海運会社が震え上がり、石油価格は高値で張り付くことになる。

逆に米軍は100隻のタンカーを1隻残らず守らねばならない。ホルムズ海峡で起きているのはこんな「非対称型」の対決である。この勝負、実はイラン側に分があるのではないだろうか。要するに以下のような「非対称性」があるというわけだ。

つまり時間はイランの味方である。放っておけば、アメリカ国内でガソリン価格などが上昇してインフレに火が付き、大統領支持率が低下して、秋の中間選挙に向けての雲行きが怪しくなる。トランプ氏もどこかで「損切り」したいところだが、その場合も最低限の体面は保たなければならない。さて、うまくTACOることができるだろうか?

次ページが続きます:
【今後のカギとなる日付はいつなのか】

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象