戦争は長引くほどイランに有利で今後は共和党議員の造反雪崩も?トランプ大統領は果たして「TACO」ることができるのか

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そんな中でわが国がどんな手を打てるかと言えば、「さらなる原発の再稼働」と「石炭火力の再評価」ということになるだろう。前者については、ちょうど柏崎・刈羽原発の6号機が3月22日に運転再開したところ。同じく135万6000kwという日本最大の出力を誇る7号機がまだ定期点検中である。この2つがフル稼働すれば、それだけで発電用LNGの輸入量を相当に減らすことができるはず。

後者についていえば、石炭火力は世界的な「カーボン・ニュートラル」目標の前に、一時は完全に悪者扱いであった。しかし今のような非常時に、その可能性を封じてしまうのはもったいない。「今すぐ石炭を焚け」とまでは言わないが、電力会社が廃炉にしかかっている古い発電所を残しておくだけでも、市場心理にはプラスに働く。とにかく「選択肢を増やす」ことが、今のような危機に際しての鉄則なのである。

「ナフサ不足の長期化」だけは絶対に避けたい

エネルギー供給よりも先に問題化しそうなのが、ナフサの不足である。こちらは中東依存度が高いうえに、在庫が20日分程度しかないと言われ、これがなくなると石化コンビナートが止まってしまう。ナフサからはエチレンなど石油化学の基礎原料が精製され、それがプラスチックや合成繊維、ゴム、樹脂などあらゆる製品の起点となっている。最終的には自動車部品や半導体材料、医療機器、建材まであらゆる産業に波及する。

強いてどの分野に真っ先に影響が出るかと言えば、食品や日用品の包装材だろう。レジ袋や生鮮食品用のトレー、パック、ペットボトル関連素材などである。これらは毎日使われる製品である上に、スーパーやコンビニなどは「ジャスト・イン・タイム」に近く、もともと在庫が薄いのである。

来月くらいになると、「包装資材の節約を心がけましょう」という呼びかけが始まるんじゃないだろうか。その程度で済めば上出来で、ナフサ不足が長期化すれば、減産は自動車から家電業界など広範に及ぶことになる。結論として、「とにかく早くイラン情勢を落ち着かせてくれないと、世界中がエライことになってしまう!」のである。

マーケットの反応はと言えば、アメリカのドナルド・トランプ大統領の片言隻句に振り回される日々が続いている。「ホルムズ海峡を開放しないと、発電所を攻撃するぞ」と脅したかと思えば、「イラン側と建設的で良好な対話が始まっている」と言い出したりもする。しかるに米軍が相手側の最高指導者を殺害してしまった後で、いったい誰が交渉相手になっているのだろう?

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