毎年1月は、前年の自動車の登録台数が発表される。フランス車を乗り継いでいる筆者は、どうしてもこの国のクルマの動向が気になる。
そこで2024年の国内登録台数を紹介すると、トップはプジョーで、外国メーカーの中で第10位に入っており、僅差で11位にルノーがつけ、13位にシトロエン、25位にDSというランキングになっている。
ただし、最も売れているプジョーでも5306台で、長年フランス車を見てきたひとりとして、ちょっと寂しい。2000年代に入ったころは、コンスタントに年間1万台以上を記録していて、2002-2003年には1万5000台を超えることもあったからだ。
その原動力となったのが、本国で1998年に発表され、翌年に日本で発売されたコンパクトな「206」だった。
なにしろ前述した2002-2003年には、206だけで8000台以上をマークしており、全プジョーの半分以上を占めていたのだから。累計での登録台数は5万台近くに上っている。
世界的ヒットモデルとなったワケ
206が売れていたのは、日本だけではない。ワールドワイドでは、1998年から2012年までに800万台近くを売っているのだ。
しかも、206はフランス以外にブラジル、中国、イランなど世界各地で生産され、イランでは最近まで作られていたという。
これらを加えると800万台以上になり、フォルクスワーゲン「ビートル(正式名称はタイプ1)」、フォード「モデルT」に続いて835万台を生産した、同じフランスのルノー「4(キャトル)」に匹敵する量産記録ということになる。
では、なぜ206はここまでヒットしたのだろうか。
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