パパ先生なら知っておくべき「男性育休・時短勤務」制度取得の裏側 「時間がなくても幸せ」経験者が断言する理由は

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2022年の日本の出生数はついに80万人を割り、少子化の流れに歯止めがかからない。政府は男性の育児休業取得率を25年に30%まで押し上げるべく、育児・介護休業法を改正。22年10月から育児休業の分割取得ができるようになったほか、「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設された。男性の育児参加が期待される中、各種制度を活用して子育てと教員の仕事の両立を図る2名の“現役パパ先生”にインタビューを実施。仕事と家庭のバランスを取りつつ、充実した生活を送るには——。彼らの生の声を紹介する。

パパ先生の育休取得に障壁はあるのか?

2021年度の雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は13.97%。女性の85.1%と比較すると、現状の取得率は6分の1以下という状況である。教員においては、21年度に新たに育児休業等の取得対象になった男性1万7260人、女性2万591人のうち、男性の取得率は9.3%。18年度の2.8%からは増加したが、女性の取得率97.4%と比べると圧倒的に少ない(※1)。

※1 文部科学省 人事行政状況調査(2022年12月26日)

森 俊郎(もり・としろう)
岐阜県出身。小学校・中学校教員として14年のキャリアを経て、現在中学校教員。小学校教員時代、教務主任をしながら育児部分休業を取得して4人の子育てに奮闘。エビデンスに基づく教育(Evidence Based Education)の実践と研究に取り組む。ロンドン大学客員研究員、岐阜県先端技術活用学校アドバイザー、埼玉県戸田市教育委員会教育データ利活用アンバサダーなどを歴任。『先生がパパ先生になったら読む本』(学事出版)著者の一人
(写真は本人提供)

10歳の娘、7歳の息子、4歳・1歳の娘の4人の父親で、現在岐阜県の公立中学校で教員を務める森俊郎氏は、新たに導入された育児休業の分割取得を経験したパパ先生だ。今は「育児部分休業」の制度を利用し、勤務している。

「第4子の娘が生まれてすぐの頃の2週間と、それから冬休みを挟んだ1カ月間とで、計2回に分けて育休を取得しました。昨年度まで13年間小学校の教員をしていたのですが、取得した当時は教務主任の立場でした。育休に加えて、育児部分休業を利用するパパ先生はレアケースだったと思います」

学校現場の忙しさを身に染みて感じていた森氏は、職場で育児部分休業を取ることを伝えたら反対されるだろうと懸念していたが、周囲の反応はむしろ逆だった。驚いたことに、「森先生みたいな人が取ってくれてうれしい」「頑張ってくださいね」と温かい言葉をかけられたという。

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