「うんこお金ドリル」作成担当者語る、家庭・学校で「金融リテラシー」育てる方法 元金融庁教育担当が薦めるゲームや家庭内企業

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学習指導要領の改訂によって、小学校は2020年度、中学校は21年度、高等学校では22年度から金融教育がスタートした。「家庭科」「公共」の授業に組み込まれ、家計管理や資産形成、金融経済の仕組みまでを学ぶ。海外と比べて遅れが指摘されてきた日本の金融教育。これから子どもたちは、家庭や学校でどのように金融リテラシーを高めればよいのか。元金融庁の金融教育担当で、現在は金融教育家として活動する塚本俊太郎氏に話を聞いた。

海外の子どもは軒先でレモネードを売り稼ぐ

塚本俊太郎氏は、もともと外資系運用会社などで20年以上キャリアを積んできた。その後、金融庁で高校家庭科の金融経済教育指導教材や小学生向け「うんこお金ドリル」の作成を担当。現在は金融教育家として金融リテラシーや資産形成について発信・講演を行うほか、日本金融教育推進協会理事なども務めている。塚本氏は、家庭での金融教育についてこう語る。

塚本俊太郎(つかもと・しゅんたろう)
金融教育家
日本金融教育推進協会理事、グリーンモンスター株式会社顧問、日本CFA協会執行理事
元・金融庁の金融教育担当
(写真:東洋経済撮影)

「学校で金融教育が拡充され、家庭でも対策をしなければと慌てている方もいるでしょう。しかし、肩ひじ張って考える必要はありません。日々の生活の中で、少しずつお金について触れていくだけでよいのです。例えば一緒にスーパーに行ったとき、目の前の野菜が高いのか安いのか。別の場所で買うとどのように価格が変わるのかを教える。重要なのは、将来自分でやり繰りをする際に困らないよう、いろいろな体験をさせることです。500円をあげて、どうやり繰りすれば欲しいものが買えるのか、ときには失敗しながら、自分の頭で考えることが大切です」

海外と比べて後れを取っているといわれる日本の金融教育。米国の家庭では、どのような教育が行われているのか。

イメージ(写真:bst2012 / PIXTA)

「米国の家庭ではかなり手厚い教育が行われていると感じます。よく聞くのが、自宅の軒先で自家製のレモネードを売るという体験です。子どもたちは、大人からもらった初期費用で材料を仕入れ、自分でレモネードを作り値段をつけて近所の人に売るのです。そして、どう工夫すればどのくらいの利益が出るのかを身をもって体験します。ここで興味深いのは、米国では近所の人たちが教育目的で買ってくれるということです。実際には欲しくなくても、子どもの教育に協力してあげようという意識があるのです。ほかにも、ガレージセールで要らなくなったおもちゃを売らせるなど、米国の親は積極的に子どもに商売体験をさせています。周りの大人の協力が必要となると、日本ではなかなか同じようにはいかないかもしれません」

家庭内企業やキッズフリマでお金に親しむ

では、日本の家庭ではどのように子どもをお金に親しませればよいのだろう。

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