「労働時間を短縮しつつ、業務の品質を向上させなければならない」。山本敏博社長は厳しい表情で語った。
7月27日、広告代理店大手の電通は今後2年間かけて実行する「労働環境改革基本計画」を発表した。
同社は2016年に新入社員の過労自殺が明らかになって以降、残業時間の上限を引き下げ、22時に全館消灯を実施するなど社員の負担軽減に努めてきた。だが1月に就任した山本社長は、「一連の取り組みは第1弾にすぎない」と語り、社内で議論を進めてきた。
改革案は社員の声を吸い上げ作られたものだ。半年間で全社員へのアンケートを3回実施、経営陣と社員の意見交換会も100回以上開催された。人事担当者による説明会も行い、社員からは合計2万5000件の意見が寄せられた。
柴田淳執行役員によれば、「長時間労働が評価される仕組みになっている」「評価制度の改善が必要だ」「多様な働き方と人事制度が合わない」などの声が多かったという。
今回の計画には三つの柱がある。まずは労働環境の改善。36協定違反などをゼロにする。ハラスメントなど、上司の行き過ぎた指導を防止する研修も盛り込む。
次は労働時間の削減だ。1人当たりの労働時間を14年の2252時間から19年に1800時間に減らす。業務の仕分けや自動化も進める。
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