ICT活用×教科担任制で個別最適化の教育を 主体的、対話的な学びを実践する手段

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学習者用デジタル教科書の整備率は8.2%。文部科学省が発表した「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」(速報値/調査基準日2020年3月1日現在)の数値が、GIGAスクール構想の進捗を判断する、1つの基準になるかもしれない。

教員のICT活用指導力を向上させるために

調査対象は、全国の公立学校(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)とそれらの学校で授業を定期的に担当している教員。学校におけるICT環境の整備状況を見ると、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数は前年の5.4人/台から4.9人/台に、普通教室の無線LAN整備率は48.3%(前年比7.3ポイント増)、大型提示装置整備率も59.2%(前年比7ポイント増)となっている。デジタル教科書の指導者用整備率は56.4%(前年比3.8ポイント増)、統合型校務支援システムの整備率も前年比6.8ポイント増の64.3%に達した。

一方、前回調査と数値がほぼ変わらないのが、教員のICT活用能力だ。授業にICTを活用して指導する能力は69.8%(前年比0.1ポイント増)、児童生徒のICT活用を指導する能力は71.3%(1.1ポイント増)。「GIGAスクール構想の加速による学びの保障」では、急速な学校ICT化を進める自治体等を支援するため、ICT関係企業OB などICT技術者を配置する経費を支援するとしている。対象となるのは、国立・公立・私立の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等だ。

ほかにも、「ICTを活用した効果的な指導方法(遠隔教育、家庭学習等を含む)」「ICTを活用した指導に関する研修講師の紹介・派遣等研修の実施」などについて、自治体や教育委員会からの相談に応じるICT活用教育アドバイザー事業が進められている。

ハードやツールの整備は、目的ではなく、あくまでも手段だ。GIGAスクール構想が掲げる「特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する」ために、学校や教員のICT活用能力を継続的に支援していく取り組みが欠かせない。が、その一方で、教員のみに新たな負担を強いることがないよう、サポート体制の充実が望まれる。

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