北千住は｢高卒正社員女性｣に人気の街だった ｢住みたい街｣は､学歴によって大きく変わる

次に、高卒男性の住みたい街を見ていくと、1位は秋葉原（水道橋、飯田橋、春日、白山も含む）。この属性では、吉祥寺や横浜みなとみらい、恵比寿（代官山、中目黒を含む）といった4大卒男性に人気の街は7位にすぎない。一方で、浅草や松戸（柏も含む）といった街が7位に浮上する。こうした傾向は、高卒男性の職業でアルバイトの割合が高いことが影響していると思われる（詳しくは後述する）。

女性はどうだろうか。4年制大学卒の女性が住みたい街の1位は恵比寿、2位が吉祥寺、3位が横浜みなとみらいと、こちらも一般的な住みたい街ランキングとそう違いはない。

さらに、5位に二子玉川、6位に下北沢、8位に三軒茶屋と続く。二子玉川、下北沢、三軒茶屋はいずれも世田谷区内の人気タウンである。世田谷周辺に生まれ育ち、この地域に親しみのある女性には高学歴な人が多く、また高学歴な女性は年収も高くなるので実際に世田谷に住めるからだろう。

高卒女性が住みたい街の1位は、横浜みなとみらい。ただ、3位には北千住、8位に浅草や千葉（幕張、稲毛も含む）が入る。高卒女性は、東京23区の東部とそれに隣接する郊外地域に在住する人の割合が高いためであろう。

学歴に、正社員かアルバイトか、未婚か既婚かなどの指標を掛け合わせてみると、さらに興味深い結果が得られる。

4年制大学卒の女性に人気の高い代々木上原。洗練された店が多い（撮影：筆者）

まず面白いのは、4年制大学卒の未婚の正社員女性が住みたい街だ。1位は断トツで恵比寿（24％）。仕事にもショッピングにも飲食にも便利な街だからだろう。5位には三軒茶屋と目黒が同率でランクインする。そして7位には、神楽坂や代々木上原（代々木八幡も含む）、下北沢。山手線の西側の駅と、そこから私鉄で数分で行ける、美味しい店が多い街が人気であるといえる。

4大卒アルバイト男性はサブカルの街がお好き？

次に興味深いのは、4年制大学卒でアルバイトの男性。住みたい街の1位は、同率で、浅草、表参道（青山、原宿も含む）、高円寺（新高円寺も含む）、上野（御徒町も含む）。以下、新宿、池袋、恵比寿などが同率2位。

浅草、上野、新宿、池袋には、寄席があるという特徴がある。高円寺も落語会は盛んである。また高円寺はライブハウスの街でもあり、その点は吉祥寺も共通である。表参道、恵比寿はファッションの街。

このように、お笑い、音楽、ファッションといったサブカルチャーの街が選ばれているといえる。大学は出たが、まともなサラリーマンになるより、サブカルチャーで生きていきたいがためにアルバイトをしている男性の姿が浮かんでくる。