改正児童福祉法は施設暮らしの子を救うか 日本には産みの親と暮らせない子が4万人

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里親となったある母親は、幼い子どもを施設に入れることが、いかに有害となり得るか、よく分かっている。

今では16歳になる彼女の里子は、何分間も頭で枕をたたいて、ようやく眠りにつくという。それは、6歳になるまで施設で過ごすうちに、周囲に構ってほしくて仕方がない子どもが覚えた癖だ。

息子は魅力的な少年だが、風変わりだ、とこの母親は言う。

「普通であれば自分が悪いと納得する場面でも、納得しない。愛着障害の子は自分が恵まれなかったので優遇されるべきだと思っている面がある」と話す。「幼児性も残ってる。私にいつも『ママ、だいちゅきーっ』と言う。普通の高校生は言わない」

別の母親は、ちょうど家族がいないと認識し始めた5歳の子どもを施設から引き取った。彼は学校で発作的に逆上することがあり、家の外に出ることを恐れていたという。

新しい家族の愛情を確かめるために、彼女の息子は「自分が死んだらどうするか」と質問してみたり、別の時には、彼女の膝の上で哺乳瓶からミルクを飲みたいと懇願することもあったという。

日本の矛盾を浮き彫りに

こうした子どもたちの受け入れをめぐる状況は、高齢化が進むなか、一向に上がらないままの出生率と増大する社会保障費で苦しむ日本の矛盾を浮き彫りにしている。

施設養護は里親委託に比べ3倍も費用がかかると専門家は指摘する。こうした施設職員を保育サービスに回すことで、より多くの女性が働けるようになり、ひっ迫した日本の雇用市場も改善されるという。

二葉乳児院の都留院長は乳児院の役割もいずれ変化するだろうと述べ、施設がいずれ里子と養子縁組家庭を引き合わせるような役割も担うようになるのではないかと話す。「乳児院はいたずらに長く(子どもを)置いておきたいとは、これっぽっちも思っていない」

(Chang-Ran Kim記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)

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