売り先が増えても手元のお金は足りない
「次は何を売ろうかな。時計を売ろうかな、車を売ろうかなって。最初の3年は非常に苦しかったです」
2015年にホンダを退職し、長野県佐久市にボスケソ・チーズラボを出店。独立して、チーズ作りを始めた是本健介さん。食品製造業を始めるには大きな設備投資がいるため、開業にあたっては貯蓄や退職金などに加え、通っていたビジネススクールの卒業生向けファンドからも出資を受けた。
ただ、準備したお金だけで安心して事業を続けられたわけではない。開業から1年が経つと借入金の返済や消費税の支払いが始まり、顧客が増えていく一方で、手元の資金には余裕がなかった。
背景には、売り先の変化もあった。最初は一般客への販売と事業者向けの販売が同程度だったが、徐々に卸売りの割合が増えていった。


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