人口減少、強まる小売りのバイイングパワー、原材料費や物流費の上昇――。メーカーを取り巻く環境は、厳しさを増す一方だ。国内日用品大手の花王、ライオン、ユニ・チャームの3社は、成長に向けた方針を次のように打ち出している。
「圧倒的な知覚品質を実現しながら高収益を狙う」(花王・長谷部佳宏社長)
「求められるものが高度化する中、期待を上回るビジネスを展開する」(ライオン・竹森征之社長)
「値上げではなく価値転嫁」(ユニ・チャーム・高原豪久社長)
3人の社長のコメントに共通するのは、単に価格を引き上げるのではなく、生活者が納得できる価値を生み出すことに力を注いでいるという点だ。事業環境が大きく変化する中、実際にビジネスではどのように対応しているのだろうか。
中小メーカーには厳しい時代
かつて日用品メーカーは、テレビや新聞で大型マーケティングを展開することで、数々のヒット商品を生み出してきた。が、それも過去の話。少子高齢化で数量拡大による成長が見込みにくくなり、生活者のニーズも細分化している。
また、日用品の主な販売先であるドラッグストアの業界再編が相次いでおり、小売りがバイイングパワーを強めている。
アース製薬の川端克宜社長は、「小売り側も生き残りを懸け、スケールメリットを生かした厳しい条件交渉やプライベートブランドの強化を進めている。これに対抗できるのは、圧倒的なブランド力か独自の特許を持つ企業だけ。中小メーカーが単独で生き残るのは非常に厳しい時代だ」と語る。
追い討ちをかけるのが、原材料費や物流費、人件費の上昇だ。コスト増を販売価格に転嫁しようにも、生活者の節約志向が強まれば販売数量は減少しかねない。

逆風下でも、花王の業績は回復基調にある。前2025年度は本業の儲けとなる営業利益が、前期比11.9%増の1640億円となった。販売価格見直しの効果と数量増が寄与し、原材料高によるマイナス85億円を吸収した。
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