有料会員登録
ライフ

給料は会社員時代の半分、愛車も手放した…元ホンダF1エンジニアのチーズ職人が「それでも独立してよかった」と語るワケ

9分で読める
是本健介さん
「Japan Cheese Awards 2026」のソフト/白カビ部門で、金賞および最優秀部門賞を受賞した是本健介さん(写真:是本さん提供)
2/4 PAGES
3/4 PAGES

ただ、そこから一直線に売り上げが伸びたわけではない。コロナ禍もあった。小さな工房では生産量を一気に増やすことも難しい。

さらに、寒さの厳しい地域ならではの課題も残る。冬の1月から3月は客足が鈍り、観光地の飲食店向けの需要も落ちる。是本さんは、その時期の収入をどう補うかが、今も課題だと話す。

役員報酬は半分 それでも自由を実感する

現在、是本さん自身の役員報酬は、会社員時代の給与の半分ほどだという。会社の売り上げが、そのまま自分の収入になるわけではない。開業時の大きな借入金は、取材時点で「あと2年ほどで返し終える見通しです」と話した。

最近の写真。看板猫のグラちゃんと(写真:是本さん提供)

収入が会社員時代に追いついていなくても、「独立してよかったと思う」と話す是本さん。その理由を尋ねると、「自由」だと答えた。

「何事も自分の意思で決められます。裏を返せば、何事も自分で決めないといけません。責任は大きいですけど、お金の心配以外は、本当に最高です」

もっとも、働く時間が短くなったという話ではない。起業してから今まで、働き方はあまり変わらず、毎日16時間ほど仕事をしているという。

チーズ(チェダーチーズKARAMATSU Chatora)の製造風景。こうやって見てみると、芸術品のような美しさだ(写真:是本さん提供)
イベントのワンシーン(写真:是本さん提供)

朝6時から動き始め、食事や近くの温泉で気分転換を挟み、また仕事に戻る。定休日の月曜も、宇都宮の調理師専門学校でチーズを教えることがある。土日はイベントに出店し、出張で製造できなかった分を、戻ってから取り返す。

ボスケソ内観。ショーケースには牛乳製、山羊乳製の多種のチーズが並ぶ(写真:是本さん提供)

比較的落ち着く冬に、2、3日の休みを取ったり、故郷の九州に帰ったりする。体が資本なので、もう少しペースを落とさなければという思いもある。それでも、時間があれば新商品の開発をしたくなる。

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数