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春から秋の味覚として日本人に親しまれているアワビやサザエは、焼くと磯の香りが漂い、独特な食感が魅力だ。
だが、これら貝類の漁獲量は、減少に歯止めがかからない。アワビ類はピーク時から約91%、サザエは約76%それぞれ減少している(農水省統計)。

アワビやサザエが育たない…海藻がつくる「海の森」消失との関係
さらに、こうした海の幸は、10年くらい前から一段と厳しい環境に直面している。餌である大型の海藻類が集まる藻場(もば)が各地で減少、消失しているためだ。
主な原因は、地球温暖化に伴う日本近海における海水温の上昇や高水温に適したアイゴなどの藻食魚の増殖、台風に伴う波浪による流失などが挙げられている。
海藻はアワビやサザエの餌となるだけでなく、「海の森」とも呼ばれる藻場は、魚介類の産卵場や小魚などの生息地として重要な役割を果たしている。また、海藻に付着する微細藻類を餌とするヨコエビなどの無脊椎動物も生息する。こうした生き物を求めて魚介類が集まることから、藻場は海の食物連鎖を支える重要な基盤となっている。
神奈川県水産技術センターの研究報告(著者:芳山拓氏・木下淳司氏)によると、1990年から2022年にかけて、被度5%以上の藻場面積が相模湾側で約8割減少した。神奈川県真鶴町では、2015年頃から海中の岩場などから海藻が消滅する「磯枯れ」(または磯焼け)が始まった。
真鶴町で漁業に従事する五十嵐一広氏は、「約10年前から磯枯れのような状態になってきて、7〜8年くらい前から深刻化している。貝類をとって生計を立てていたが、ここ3〜4年は、ほぼ獲れない」と話す。
五十嵐氏は「磯枯れが始まった頃からアワビやサザエの殻だけが、転がっている状態だった」と振り返り、「稚貝を放流しているが、餌がないので、そのまま死んでしまう。海藻があるということは、何よりも重要だ」と語る。


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