「純水製造で使用した一部の活性炭については、処理業者に対する再生処理委託が行われたことを確認している。当社としてはそのような純水製造に用いた活性炭の処理が業者に委託された事実があったことをもって、PFOAを含有する活性炭が当社由来であることを裏付けるものではないと考えている」
岡山県吉備中央町で発生した有機フッ素化合物(PFAS)の一種、PFOAの汚染について、関連を疑われているダイキン工業が今年8月、初の見解を明らかにした。
吉備中央町では2023年、水道水に高濃度のPFOAが含まれることが公になった。町内の処理業者が取水源の近くで保管していたPFOAを含む活性炭が原因とされ、町は対策にかかった約3億円を処理業者に請求した。処理業者はダイキンから受け入れた活性炭が汚染源と主張し、同社にも負担を求めて公害調停を申請している。
PFOAなどPFASによる汚染をめぐっては、アメリカで大手化学メーカーが最大103億ドルの和解金支払いで合意するなど、企業の責任を問う動きが活発化する。日本ではダイキンに対する公害調停が先行事例で、議論の先行きに注目が集まる。
ダイキンに2件の公害調停
日本国内ではPFAS問題への関心の高まりが欧米より遅く、訴訟に発展した事例は確認されていない。今のところ公害紛争処理制度に基づく公害調停が、大阪、岡山で1件ずつ、どちらもダイキンに対して起こされている。
その1つがダイキンの淀川製作所(大阪府摂津市)の事案だ。同製作所では1960年代後半からPFOAを使用し、後に製造も始めた。いずれも2012年までで終了したが、以降も周辺からは高濃度のPFOAが検出された。
淀川製作所の周辺住民らは25年、ダイキンが保有する資料の開示や周辺住民の健康、環境の継続的な調査、汚染対策と被害補償枠組みの構築を求め公害調停を申し立てた。だが、ダイキンは同製作所が排出源の1つであると認めたうえで、当時の規制に従って対応を進めてきたと主張。要求には「慎重な姿勢」(関係者)を示しており、協議は円滑に進んでいないという。
一方の岡山県吉備中央町の事案では、そもそもダイキンは関連を否定している。今年9月、調停申請が岡山県公害審査会に受理されたが、大阪の事案以上に着地点が見いだせていない。
この記事は有料会員限定です
残り 1693文字

