監査業界には「駆け込み寺」と呼ばれる監査法人がある。多くの監査法人が監査を断るような“曰(いわ)く付き”の企業に手を差し伸べる監査法人のことだ。
企業が上場を維持するためには、監査を受ける必要があり、監査人が作成する報告書を有価証券報告書などに添えなければならない。
大半の企業は監査人探しに困らない。だが、過去に不正会計が発覚したり、内部統制の問題を起こしたりした企業に関しては、監査法人側が引き受けたがらない。
なぜなら監査の前提となる情報が信頼できない場合が多く、万が一虚偽などを見逃せば、公認会計士法や金融商品取引法などに基づき、業務停止命令や登録取り消しなどの行政処分、損害賠償責任、そして悪質なケースでは刑事罰の対象にもなりかねないからだ。
だが、断られた企業にとっては死活問題。期限までに監査人の報告書を提出できなければ、「有価証券報告書等の提出遅延」として上場廃止基準に該当するからだ。
そうした企業に手を差し伸べる救世主のような監査法人のことを、業界では揶揄も込めて「駆け込み寺」と呼んでいるのだ。
問題企業の救世主か
その筆頭格として名前が挙がるのが「監査法人アリア」だ。監査人を務める企業の中には、不適正会計で金融庁から課徴金納付命令を受けたクオンタムソリューションズや、経営権をめぐる騒動が起きた日本製麻といった名が並ぶ。
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