新しい技術を使った検知システムをめぐっては、開発・使用例からしてほとんど知られていない。十分な説明がないと、地域住民はもちろん専門家も納得できない。
オジロワシが風車のブレードに衝突死する確率について、環境省や著名な研究者が示した数字がある。日本自然保護協会によると、2020年以降に環境影響評価準備書が出された風力発電事業の事業区域内でオジロワシの飛翔が確認された25件のうち、厚田風力発電事業の衝突確率は突出して高く、異常な数値を示すという。
一方、北海道幌延町にある「浜里ウインドファーム」では23年5月の運転開始から2年足らずで計11件のオジロワシの衝突が発生。事業者のユーラスエナジーは風車全14基の日中運転停止に追い込まれ、現在、運転再開に向けた試験期間に入っている。
日本自然保護協会は、厚田の事業が実施された場合、浜里ウインドファームを上回る頻度でオジロワシの衝突が発生する可能性がある、と警告。26年4月、「計画中止を含む事業の再検討を行うべき」とする意見書を出した。
石狩市に林立する風力発電所、厚田風力発電事業で生み出される電気はどこへ
石狩市の環境白書(2025年度版)によると、市内の風力発電設備の合計総出力は15万7000kW。これには、市の南端にある石狩湾新港地域のうち行政区域が小樽市になる場所に建つ設備や洋上風力は含まれていない。これらを含めたうえ、稼働中のものに環境アセス手続中の設備を加えた「石狩市内および周辺の風力発電事業」の総出力の合計は36万839kWにもなる。
石狩市が風力発電のゾーニング計画作りに取り組みだした17年度の報告書には、30年までの導入見通しとして、19万7000kWという数字が載っている。これと比べても、石狩市とその周辺には、風力発電設備が大変な勢いで集積中であることがわかる。
強い風が吹く北海道の日本海沿岸で進む風力発電施設の建設。集積が進むにつれ、猛禽類などの希少な鳥への影響や、低周波による健康影響などが問題化している。


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