フランス内務省の発表によると、10月6日に高校生による抗議運動の一環として約25万6000人がデモ行進を行い、うち5万6000人がパリで参加した。教職員組合は同月9日、エドゥアール・ジェフレイ国民教育相とのビデオ会議を行なった。
デモの暴徒化により、治安部隊との衝突が激しさを増した。検察当局は10月6日、パリ北西郊外のサン=トゥアン=ロモーヌ(ヴァル=ドワーズ県)で14歳のエデン君の顔にグレネードランチャーを発射して重傷を負わせた警察官が、火曜日に暴力行為の罪で起訴された。
フランス北東部のメスで高校の騒乱に関連して逮捕された14歳の少女の髪や胸に私服警官が触れているように見える動画が公開されたことを受け、国家警察監察総局(IGPN)が捜査に乗り出した。
10月8日、バスティーユ広場で行われたデモの最中、警察官がデモ参加者の顔面を激しくひざ蹴りする様子を捉えた動画が公開された。その後、デモ参加者は2人の警察官に押さえつけられ、衣服には血痕が付着しているのが確認できた。
パリ警察本部は事件の詳細を明らかにしなかったものの、午後になって「少数の暴力的な人物が警察官を標的にした」ことを認め、内部調査が開始されている。
教員不足に施設の劣悪化、さらに政治の影
新年度が始まった9月、担当教員不在のため、いくつかの授業が全国で行われなかった。大学や職業訓練高等専門学校に進む学生が増え続けているフランスでは、高校卒業資格試験(バカロレア)の成績は、その後の進路に大きく影響する。良質の教育を受けられない教員不在、IT設備の不足など、全国の教育格差は広がる一方だ。
とくにフランス政府が2018年に導入したパルクールシュップという共通出願システムには、多くの批判が寄せられている。このシステムは高校後の高等教育機関への出願や入学手続きを管理する共通オンライン・プラットフォームで、この運営には賛否両論がある。パルクールシュップで決定された生徒の評価によって、希望する大学や専攻に必ずしも入学できない事態が生まれている。
同システムでは高校での成績、教師による評価、学習態度、志望理由書、高校で履修した専門科目、課外活動などの経験が評価項目とされている。
結果的に試験の成績だけでなく、多面的に評価する利点がある一方で、家庭の社会経済的背景が教育成果に強く影響することが指摘され、国の共和制が掲げる「教育を受ける公平性」を逸脱する結果を生んでいる。とくにフランスの高等教育をよく知らない移民系の家庭環境では、高い評価を得るのは困難だ。


※ログイン後、コメント入力が可能です。