「あれだけの税金、いったい何に使っているの?」「マニュ(エマニュエル・マクロン大統領の愛称)、さようなら」――。
10月24日、フランス各地で実施された大規模デモでは、参加者によって思い思いのプラカードが掲げられた。発端は9月にパリ郊外の高校で始まった、教員不足の解消や学校環境の改善、大学入学者選考の見直しなどを訴える高校生らの抗議運動。そこへ物価高に苦しむ市民などが加わっている。
学校の秋休みのさなか、参加者は内務省の集計で41万人、労組CGT(フランス労働総同盟)の集計で80万人。夕方以降は複数の地点で治安部隊との衝突が起き、1300人超が拘束されたものの、ローラン・ヌニェス内相は「行進は順調に進んだ」と総括した。
大手スーパーの業績にも打撃
マクロン大統領はこの日に先立ち、労組主催以外のデモを可能な限り禁止すると表明。これを受けて各地の県知事がデモを禁じ、当日は全国で7万人の警察・憲兵が配備されるという厳戒態勢が敷かれた。
行政府の念頭にあったのは、前週17日に起きた大規模デモと暴動だ。デモには全国で55万人が参加(内務省)、一部が暴徒化し放火や略奪に走った。
中部リモージュでは19世紀に建てられた市庁舎が放火されて大部分が焼け落ち、スーパーや高級ブランドなど多様な小売店も標的に。17日からの週末には全国で少なくとも3000店が被害を受けた。
街頭での抗議活動が続く中、その影響は企業や国家財政にも及び始めている。
「当社はフランスで、前例のない状況に直面している」。フランス国内に約6900店を構えるスーパーマーケット大手、カルフールのアレクサンドル・ボンパール最高経営責任者(CEO)はそう語る。
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