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ビジネス #保険の正体

プルデンシャル生命、ジブラルタ生命保険に金融庁が一部業務停止命令、保険募集管理体制などに重大な欠陥

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プルデンシャル生命
総額61億円超の金銭不祥事で業務停止命令を受けたプルデンシャル生命保険(写真:編集部撮影)

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金融庁は10月9日、総額61億円超の金銭不祥事が発覚した外資系大手のプルデンシャル生命保険に対して保険業法に基づく一部業務停止命令を発出した。

保険の新規契約や販売(募集)業務を10月13日から、3カ月間停止させる。同様に金銭詐取の事案が複数発覚していた兄弟会社のジブラルタ生命保険についても、有効な対策を講じていなかったなどとして、同期間について新規募集などを停止させる。

親会社のプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンに対しては、経営管理体制の機能不全などで保険業法に基づく業務改善命令を下した。

生命保険会社に対する業務停止命令は、2019年のかんぽ生命保険以来となる。

「さまざまな重大な欠陥があった」と指摘

金融庁による行政処分に先立って、プルデンシャル生命は8日に社外特別調査委員会の報告書を公表。同報告書では、ライフプランナー(LP)と呼ぶ営業社員(退職者含む)ら159人が、794人の顧客などから投資勧誘を通じて金銭をだまし取ったり、不適切な金銭貸借をしたりといった行為があり、その総額は61億6660万円にも上るという。

ただ、これはあくまで顧客やLPなどによる申告ベースでの数字だ。現在も金銭不祥事の調査は続いていることに加えて、表立って声を上げられず、泣き寝入りした顧客も少なくないことを踏まえると、被害者数や被害金額は今後さらに膨らむ可能性がある。

一連の金銭不祥事は、今から34年前の1992年から確認されているという。これほどの長期間にわたって不正行為が発生していながら、営業や管理体制の見直しが一向に進まなかったのはなぜなのか。

その背景にあるのが、LPの活動を細かく管理したり、制限したりするようなコンプライアンス(法令順守)に関する施策を経営陣らが回避するという「営業成績を最重要の価値基準とする経営方針及び企業風土の存在」(特別調査委の報告書)だ。

結果として、経営陣を中心に既存のビジネスモデルを維持することに固執し、抜本的な改善を図ることを「長年にわたり放置してきた」と金融庁は厳しく指摘している。

保険販売(募集)においても、そのずさんさが際立っている。終身保険を希望する顧客に変額保険を契約させるなど、顧客の意向に沿わない不適切な保険募集が立ち入り検査の中で約4000件見つかったほか、第一ネオ生命保険など提携する保険会社の商品について顧客に必要な説明をしない情報提供義務違反の事例が延べ約3000件あったという。

要するに、プルデンシャル生命は「経営管理態勢、営業職員管理態勢、保険募集管理態勢及び顧客情報管理態勢などに様々な重大な欠陥」(金融庁資料)があったということだ。

金融庁は「得丸体制での抜本改革は難しい」との見方

そうした一連の機能不全を改めるには、相当な時間がかかりそうだ。というのも、プルデンシャル生命では巨額の金銭不祥事を受けて、新規契約の営業を自粛した2月以降も、本社の指示を無視した営業の「自粛破り」が横行し、架空の高金利預金があるなどとうたって、顧客などから金銭をだまし取る事案が発生するというありさまだからだ。

社外特別調査委員会による報告書や今後の改革プランについて説明するプルデンシャル生命の得丸博充社長(撮影:今井康一)

営業の自粛破りについて、得丸博充社長は「なぜ一部の不正のために全員が自粛しなければならないのか、という現場の不満や反発が当初強かったことも事実だ」と記者会見で釈明した。

ただ裏を返せば、企業としての存続が危ぶまれるほどの不祥事を引き起こし、経営改革や意識改革が待ったなしの状況にもかかわらず、経営陣による現場への統制がほとんど利かない状況に陥っていることがうかがえる。

プルデンシャル生命は営業組織や報酬体系などの見直しによって、内部管理体制を強化する方針だが、どこまで魂をこめられるのか。

金融庁は立ち入り検査を実施する中で、「得丸社長らの体制では抜本改革は難しい」(金融庁幹部)との見方を強めている。それだけに、管理強化でLPの大量離反を招かないようにとの考えから、改革の手綱を緩めるような姿が少しでもちらつけば、現経営陣による再建には一気に暗雲が漂うことになりそうだ。

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