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自動車業界で「世界で最も歴史あるアワード」と称され、業界誌『Automotive News』が“自動車の世界の方向性を変えた人物が選ばれる”と評する米国自動車殿堂(Automotive Hall of Fame、略称:AHF)。
2026年9月、モータウンの象徴的再開発拠点「ザ・デパートメント・アット・ハドソンズ」で開かれた授賞式において、トヨタ自動車の豊田章男会長が壇上に立った。
AHFの歴史は古い。1939年に自動車産業のパイオニアたちを顕彰する目的で発足し、1967年にヘンリー・フォードやアルフレッド・P・スローン・ジュニアら4名が初代殿堂入りを果たした。
特徴的なのは、顕彰の対象が企業やブランドそのものではなく、あくまで「個人」である点だ。経営トップに限らず、技術者、デザイナー、販売関係者、モータースポーツの雄、さらにはジャーナリストや歴史家に至るまで、モビリティ社会の発展に決定的な影響を与えた人物が厳選される。
その選考プロセスは極めて綿密だ。一般公募や業界アドバイザーからの推薦をもとに、産業への貢献度、影響力、革新性、持続性といった約7つの審査基準に沿って精査。専門委員会によるデューデリジェンスやヒアリング、分野横断の比較を経てファイナリストを選定し、最後は42名で構成される理事会の投票で正式に承認される。
単なる話題性ではなく、自動車産業全体に長期的にどう寄与したかが本質的に問われるわけだ。
なぜ豊田章男氏が受賞したのか?
今回、豊田章男氏に贈られた公式の授賞理由は「ドライバーを起点とした考え方をもとに、自動車産業のリーダーシップを再定義し、モダン・モビリティに情熱・性能・目的を取り戻しながら、トヨタを変革期へ導いた」である。
2009年の社長就任直後に見舞われた大規模リコール問題において、自ら米国議会公聴会に出頭して責任を引き受け、企業の信頼回復とガバナンス強化を成し遂げた危機対応。そして「モリゾウ」として自らステアリングを握り「もっといいクルマづくり」、「道がクルマと人を鍛える」を軸に企業風土そのものを刷新した功績が高く評価された。


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