日本独自の規格である軽自動車を、日本以外の自動車メーカーが開発して、日本向けに販売する。中国BYDが送り出した軽EV(電気自動車)「ラッコ」は、存在からして衝撃的だ。
だからだろう、デビュー直後からSNSでは、賞賛と批判の両方で、激しい議論が交わされた。特にジャーナリストが試乗記を公開するようになってからは、その記事に対する批判が目立った。
多くは今日の複雑な日中関係が根にありそうで、ユーザーがこれを理由としてBYDを嫌うのは個人の自由である。しかし、ジャーナリズムは政治状況に引きずられず、市場にあるひとつの商品として冷静にジャッジすべきだと考えている。
発売から2カ月が経過して、ちょっと騒ぎも落ち着いてきたような気がするので、この機会に最上級グレードの「300プレミアム」をお借りして、デザインを中心に見ることにした。
パッケージングは「N-BOX」とほぼ同じ
ラッコは軽乗用車の売れ筋である。スーパーハイトワゴンのジャンルに属する。つまり箱型で背が高く、リアドアをスライド式としたパッケージングだ。
このジャンルは空間の広さをアピールしているので、パッケージングは画一的になりがちである。それを示しているのが全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mmというボディサイズ、2520mmというホイールベースだ。
軽自動車のベストセラーでもあるこのジャンルの代表格、ホンダ「N-BOX」と比べると、軽自動車枠の上限である全長や全幅はもちろん、ホイールベースも同じで、全高が10mm高いだけ。
この中で個性を出すのは大変に思えるが、ラッコは「カプセルモチーフ」とデザイナーが呼ぶ、角を丸めた長方形を各所に取り入れることで、個性を手に入れることに成功していると思った。


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