ハンドリングも良好だった。ボディ剛性が高いうえに、床下にバッテリーを敷き詰めたおかげで低重心でもあり、重いエンジンが前にないという条件の良さもあって、背の高さを感じさせず曲がっていける。
直進安定性については、高速道路でのパワーアシストはちょっと人工的な重さがあることが気になったものの、まっすぐ走る能力は水準以上だといえる。
EVで気になるリアルな航続距離は、BYDジャパンから借り出した直後が電池残量88%で走行可能距離283km、返却直前は49%で156kmだった。
127km走って39%分を消費したので、このペースで行くと満充電では326kmを走破できることになる。電池容量は35.84kWhなので、この間の消費電力量は13.98kWh、電費は110Wh/kmと、航続距離を含めてカタログデータ(320km・124Wh/km)を上回った。
残暑が残る日だったこともあり、エアコンは常時ONで、高速道路も利用するなど、エコランは意識しない乗り方での結果だ。
すでに公開されているラッコの試乗記の多くが、カタログデータを上回る航続距離や電費を記録したと報告しており、半信半疑だったが、自分も同じ結果を出すに至り、これがラッコの実力なんだと確信した。
ラッコに“ネガ”はあるのか?
ラッコでネガのポイントを挙げるとすれば、日本の軽EVが58万円なのに対して15万円と、明確な差をつけられたクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)のほかに、販売ネットワークがある。
たとえば、N-BOXを販売するホンダカーズの販売店数は、全国で2000を超えるのに対して、BYDは現状ではまだ100に届かない。しかも、軽自動車やEVの需要が多いとされる地方が手薄で、山陰は1店舗しかない。
一方でスーパーハイトワゴンのEVというパッケージングは、自治体や企業の車両としても使いやすい。電気バスの経験を活かして、B to B展開にも注力するという方向性はあるかもしれない。


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