「これが欲しいんです」
百貨店の化粧品フロアで、客が美容部員にスマートフォンの画面を見せる。美容部員とは、客の好みや肌悩みを聞き、化粧品を提案・販売する専門スタッフだ。
SNSや口コミサイトで商品を調べ、購入する品を決めてから来店する人は珍しくなくなった。化粧品の情報も購入手段もオンライン上にあふれる中、対面で接客する美容部員には、どのような役割が求められているのか。
伊勢丹新宿店にある「コスメデコルテ」の売り場は、国内の同ブランド店舗の中でもトップクラスの売り上げを誇る。コスメデコルテは、スキンケアやメイクアップ商品を展開するコーセーの高価格帯ブランドだ。コーセーホールディングス国内売上高の2割超を占める。
客の知識量に合わせて接客を変える
この売り場で約30人のスタッフを率いるのが、チーフの伊藤尚子氏だ。2005年以来、一貫して百貨店でコスメデコルテの販売に携わってきた。約20年前と比べ、最も大きく変わったと感じるのが、客の持つ情報量だという。
「以前に比べて、お客様が多くの情報を持つようになった。スマートフォンの画面を見せて、『これが欲しいんです』と来店される方も多くいらっしゃる」
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