2つのゴルフ場でタイミーさんをやった経験からは、募集画面でほぼ同じに見える仕事でも、標準化の程度によって働きやすさが大きく変わると学んだ。
ゴルフ場では、芝を削った跡に土を入れる「目土」という作業を担当した。1つ目のバイト先では説明を受けて1人でカートに乗り、広いコースを回った。やることはほぼ一つで、自分のペースで進められた。
2つ目のゴルフ場でも目土作業を担当したが、こちらは従業員が指示役として同行し、2ホールごとに交代した。9ホールを回る間に計5人と仕事をすることになり、指示ややり方がそれぞれ違う。突発的にカートの運転も求められた。
「2つ目の現場は、コミュニケーションとマルチタスクのスキルがかなり求められました。普通の人にとっては『面倒くさいな』程度かもしれませんが、敦にとっては大きなハードルになります」
いくつもの仕事をこなして気づいたのは、敦さんのように「苦手」がはっきりしている人の働きやすさは、職種や業種ではなく、仕事がどう設計されているかに左右されるということ。つまり業務を分解し、「苦手」の要素がどの程度入っているかを可視化できれば、無理なく戦力になれる仕事を探せるかもしれない。
父子でタイミーに申し込む
単発バイトを始めて約1年半経った2026年6月、田中さんは数カ月前から温めていた計画を実行に移した。敦さんと2人でタイミーの仕事に申し込んだのだ。
選んだのは、ヤマト運輸の倉庫作業だった。
敦さんは学生時代に同社の倉庫で働いた経験があり「作業手順が明確で優しく説明してくれる従業員が多い」と好印象を持っていた。田中さんも同社の複数の拠点で働いてみて、ヤマトの倉庫作業は作業が標準化され、拠点による違いが比較的小さいことから、ASDでも働きやすいと感じた。


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