大型の焙煎設備を置いたことで、仕入れたすべての豆を自家焙煎し、全店舗に配送できるようになった。
コーヒーそのものの品質も、段階的に引き上げた。2021年、銀座本館開店25周年の節目に、スペシャルティコーヒーを使用した「椿屋スペシャルティブレンド」の提供を開始。さらに2026年、30周年のタイミングで豆の産地や配合を見直して味わいをリニューアルしている。
こうしてコーヒーの品質を底上げしてきた背景には、喫茶店を利用する客のニーズの変化もあるという。
「以前はたばこを吸うために、喫茶店を利用されるお客様も少なくありませんでした。ですが、近年はたばこを吸うお客様が徐々に減り、コーヒーの香りや味わいを純粋に楽しみたいという方が増えています。そういった方々のご期待にも応えられるよう、品質を見直し続けています」(三橋さん)
時代に合わせて空間は進化、世界観はそのまま
客の嗜好の変化に合わせて、店内空間もアップデートしている。その一例が、2025年にリニューアルした銀座本館である。改装による最も大きな変更点は、喫煙ブースの撤去だ。
以前は3階に喫煙ブースを設けていた。しかし、ブースの存在が店内の重厚な雰囲気を損ねているのではないか、といった懸念があったという。


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