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「作り直してこいッ!!」『美味しんぼ』新アニメ化に立ちはだかる"コンプラの壁"…海原雄山のカスハラをどう"料理"するのか

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旧テレビアニメ『美味しんぼ』では主人公の父・海原雄山が周囲の人を怒鳴りつける場面が多く描かれていた
旧テレビアニメ『美味しんぼ』では主人公の父・海原雄山が店の料理人や店員、周囲の人を怒鳴りつける場面が定番だった(画像:YouTube「美味しんぼ公式チャンネル」より)
  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
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まず注目が集まっていたのが「声」だ。旧アニメで山岡士郎を演じた井上和彦さん、栗田ゆう子役の荘真由美さんが続投するのか、気にする声は多かった。作品のイメージを形作る要素ゆえに、そこが大きく変化するとなれば、不安を覚えるのも当然だ。

ふたを開けてみると、山岡士郎役は阿座上洋平さん、栗田ゆう子役は咲々木瞳さんと、主役の2人は新キャストとなった。一方、海原雄山役には、大塚明夫さんが起用された。2015年に亡くなった大塚周夫さんの息子で、父の当たり役を引き継ぐ形だ。なお、コミカルな上司、富井副部長を演じた加藤治さんも2017年に亡くなっているが、そのほかのキャストはまだ明かされていない。

旧アニメで山岡士郎を演じた井上和彦さん、栗田ゆう子役の荘真由美さんから、新作では阿座上洋平さん、咲々木瞳さんへバトンが渡る(画像:YouTube「美味しんぼ公式チャンネル」より)

近年リメイクされたアニメ作品を見ると、『らんま1/2』は旧作キャストが続投、『うる星やつら』はキャストを一新した。2027年放送予定の『新こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)』も、両津勘吉役に落合福嗣さんを起用するなど、新キャストで臨む。『新 美味しんぼ』は、主役を一新しつつ、宿敵には“血縁”を残した折衷型と言える。

かん高い声が特徴の富井副部長を演じた加藤治さんは、2017年に亡くなった(画像:YouTube「美味しんぼ公式チャンネル」より)

“モノマネ”の後任では納得されない

キャスト変更において大切なのは、「納得のいく理由があるか」だ。死去であれば、当然ながら仕方がない。一方で、ただ声や演技が似ている人を後任に選べば、単なる“モノマネ”として比較され、納得感が薄れる。

その点、雄山役の人選は理にかなっている。大塚明夫さんは、自身も数々の代表作を持つベテランだ。「父の声に似ているから」ではなく、「父の役を継ぐ必然性と実力があるから」という理由が成り立つ。本人もコメントで「はい、またです。引き継ぎます」と、気負いなく継承を宣言している。

反対に、山岡とゆう子は「まったく前作と異なる声」になる。ただし、それが必ずしもバッシングの的になるわけではない。旧作の世界観には合わなくても、新作の世界観に合っていれば、それでいいのだ。

原作のキャラクターたちを再定義して、新たにパッケージングする。その過程において、ゼロベースで配役も考え直す。こうしたプロセスの結果として、続投もしくは変更となるのであれば、視聴者も受け入れやすくなる。新たな声が“令和の山岡とゆう子”をどう形づくるのか。答えは放送で示されることになる。

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