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ライフ # ピアニスト牛田智大の今とこれから

主張と尊重の間で"中間点"を探す…演奏家同士が異なる音楽観をぶつけ合う室内楽の面白さ 牛田智大氏インタビュー②

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2回目では、室内楽特有の面白さ、リヒャルト・シュトラウスの意外な面に迫る(撮影:今井康一)

※全4回のロングインタビュー2回目に当たる本記事は、現在、無料の会員登録で全文をお読みいただけます。

INDEX

1999年生まれ、12歳でピアニストとしてデビューし、天才少年として注目の的となった。その華やかなイメージの一方、ひたむきな姿勢で音楽に向かい、実直な演奏活動を重ねてきた。ソリストとしては国内外の著名指揮者、オーケストラと多数共演。ソロリサイタルや室内楽にも精力的に取り組んでいる。
現在26歳の牛田智大氏。ロングインタビューの2回目では、室内楽独特の魅力、「派手な大曲の作曲家」というイメージのあるリヒャルト・シュトラウスの別の一面、牛田氏自身のデビュー時代が語られる。
1回目:なぜ音楽は社会の縮図だと言われるのか? そして室内楽は「小さなオーケストラ」ではない
3回目:12歳でのデビューは"与えられた使命"、成人した自分は当時とは「違うブランド」だと思っている
4回目:クラシック音楽家としての役目は「つないでいくこと」、常にお客さんとの会話を大事にしたい

――1回目では、オーケストラ・室内楽・ソロの違い、とりわけ室内楽の面白さについてうかがいました。その話を踏まえると、大編成のオーケストラよりも室内楽のほうが、演奏ごとの差が出やすいことになりますか?
 同じ編成の室内楽グループAとBが同じ曲を演奏した場合、各演奏者の個性が強く発揮されせめぎ合う分、曲としての振れ幅が大きくなり、AとBの演奏には差が出やすくなるのかなと想像しました。
 例えば、同じ曲をベルリンフィルとシカゴ交響楽団がそれぞれ演奏する場合、あるいは同じ曲同じオケでも指揮者が変わる場合、聴衆は大きな違いを感じると思います。室内楽で、そうした違いがより大きくなるとしたら、お気に入りの曲の聴き比べという楽しみ方もあるかと思ったのですが……。

そうですね。もちろん、聴き比べの楽しさはあるのかなと思います。ただ、作品の解釈について考えると、オーケストラの演奏の方向性は原則として指揮者が決めるわけだから、解釈の量という観点ではソリスト1人による演奏と近い。指揮者の解釈を大人数で実現しようとするわけですから。

他方、室内楽では指揮者が不在というか、指揮者が2人、3人いるようなイメージです。だれか1人の考え方にほかの人が従っているわけではない。2つ以上の異なる考え方がぶつかる。そういう意味だと、室内楽のほうが、結果的には曲に対する解釈の差が少なくなるのかな、もしかしたら。

複数の意見が反映されるなら、中間的になっていくわけなので。もし極端な解釈をするメンバーがいても、それだけで音楽が進むわけではない。そうすると、聴き比べの楽しみというよりは、1つの作品の中で、より複雑なことができる面白さのほうが大きいのかもしれません。

牛田智大(うしだ・ともはる)/ピアニスト。1999年福島県いわき市生まれ。2012年2月(12歳)、第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールで最年少1位受賞。以降、本格的に演奏活動を始める。 2012年「愛の夢~牛田智大デビュー」でCDデビュー。2018年第10回浜松国際ピアノコンクール2位。ほかリーズ国際ピアノコンクール、ショパンコンクールなど国際的なコンクールに出場。ソリストとして国内外の著名指揮者、オーケストラと多数共演。リサイタル、室内楽といった演奏活動に精力的に取り組む(撮影:今井康一)

音楽をつくるどのパートにも、情熱をかけて意味を与える

――解釈の差は少なくなるけれど、より複雑なことができる……どういうことでしょうか。

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