かつて福島駅前には、中合(なかごう)福島店、山田百貨店、ツタヤ百貨店のほか、長崎屋やエンドーチェーンなど多くの大型店がひしめいていた。しかし現在、それらはすべて姿を消している。
前回までは、再開発によって百貨店が駅前に集まる一方、かつての中心部が空洞化していったこと、さらに3店がそれぞれ生き残るための合理的な判断を重ねながら、その歯車が少しずつ噛み合わなくなっていった経緯を追った。
その1:「福島の三越」と呼ばれた店もあえなく消滅…県庁所在地なのに百貨店が全滅した「東北の県都」の"皮肉な結末"
その2:「17年で7人の社長が送り込まれる」→「挽回できず」 最善策を選ぶも駅前沈没、百貨店も全滅した「福島の官の街」の切ない顛末
では、百貨店がすべて消えた今、街はどうなっているのか。この街に関わる人たちに話を聞いた。
かつての賑わいを辿る
8月上旬の平日10時、福島駅に降り立った。訪れた日は快晴で、風がからっとしていて涼しかった。
やはり東北地方だから夏も涼しいのだろうか、と考えていたが、取材した福島市役所の方は「それは運が良いですよ。福島は夏は暑く冬は寒い。35度を超える日もありますから」と教えてくれた。筆者の考えは甘かったようだ。
福島駅東口を出ると、広大な更地が目に入る。ホテルやオフィスビルが建ち並ぶ中、ぽっかりと空いた穴の周りを工事中の壁が覆っていた。ここにはかつて福島駅前の顔だった百貨店「中合福島店」があった。


※ログイン後、コメント入力が可能です。