にぎわいを絶やさないための取り組みも続く。再開発の完成を待つ間も、駅前では民間事業者や団体によるイベントがほぼ毎週末開かれている。その数は地方ではトップクラスだという。市もこうした取り組みを支援し、「再開発が完成するまで途切れることのないよう、できる限り支援を続けたい」と話した。
ただ、人が集まることが、そのまま商店街の売り上げにつながるわけではない。商工会議所が2024年に実施したアンケートでは、まちなかでのイベントが売り上げに「貢献していない」と答えた商店主が半数を超えた。
「イベント客と買い物客では目的が違う」「日祝日に営業していない」「イベントの客層と店の客層が違う」といった理由が挙げられている。
「街へ人を呼ぶこと」と「その人たちに街を歩いてもらい、店を利用してもらうこと」は繋がっているようで、同じではない。集まった人を街の回遊や商売へどう繋げていくのかは、行政だけでも、個々の商店だけでも解決しにくい。
百貨店という大きな集客装置を失った福島駅前では、行政と商業者がそれぞれの立場から、人が街へ足を運ぶ理由を作ろうとしている状況だ。
百貨店が消えた意味とは
中合は経営難を背景に、1978年にダイエーと提携した。その後、経営合理化が進み、1983年には直営の食堂を廃止してダイエー系列の食堂に切り替えている。
当時、市民からは「マチの中心がなくなる」と嘆く声が上がったという。あれから40年以上が経つが、この言葉は今も示唆的だ。
今回、取材に応じてくれた人たちから「もう一度百貨店が欲しい」という声は聞かなかった。それでも、人が自然と集まり、時間を過ごせる場所は欲しい。前述した「まちなかリビング」も、そうした役割を担う場所の一つになるのだろう。


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