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ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

新鮮すぎるイカ刺しに、お手頃すぎる舌平目《九州一存在感が薄い県》にお宝ザクザク「外に出られない」佐賀、その実力と哀愁

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「来久軒」の豚骨ラーメン
佐賀に帰ると訪れる武雄市の老舗「来久軒」の豚骨ラーメンは、生卵を乗せるのが「当たり前」だ(写真:筆者撮影)

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観光である町を訪れたとき、各地の地元民が「当然」と思っていることに驚いた経験はないだろうか。「ジモトのアタリマエ」では、そんな地元民ならではの「価値観」や「街歩きの知恵」にスポットを当て、その土地の本当の楽しみ方を提案する。
第9回は佐賀。前編では佐賀生まれの筆者が、知られざる「地元で当たり前に食べているごちそう」を紹介する。ただし、そのほとんどは県外に持ち出せない。

最後に佐賀に行ったのはいつですか? というか、行ったことありますか?

何年前だったのか、もうはっきり覚えていない。佐賀に生まれ、佐賀に暮らしていた私の頭には、あのフレーズだけが焼きついている。

「さがしてください。佐賀県」

テレビCMで県が自ら、探してくれと頼んでいた。あの頃から、佐賀は探さないと見つからない県なのだという自意識が芽生えていた。でも考えてみると、知らないものは探せない。だから教えてあげるけん、佐賀のこと。まずは、食べもんの話から。

イカ刺しは、白じゃない

福岡で会社員として働いていた頃から、東京や大阪から転勤者がやってくると、休日に呼子のイカを食べに連れて行く。そして、驚く顔を見て満足している。

筆者がよく行くのは人気の店、萬坊だ。海中レストランで、席の窓から魚を見ながら食事ができる。休日は混んでいるので整理番号をもらって、呼子大橋の下を散歩したり、海を眺めたりして時間を過ごす。

よそから来た人がまず驚くのは、透明なイカの身体だ。エンペラとゲソの部分には、朱色の斑点が夜の街を照らすネオンのように点滅している。指でつつくと柄が変わる。まだ生きている証拠だ。コリコリの歯応えを楽しみながら、本当に新鮮なイカ刺しは白じゃないんだよと話す。

呼子のイカ刺し。朱色の斑点が点滅するのは生きている証拠だ(写真:筆者撮影)

イカ刺しを食べ終わる頃、お店のスタッフさんが、「天ぷらにしますか? 焼きますか?」と聞きにくる。そして、イカの胴体とゲソがのった皿を持ち去る。

筆者は、絶対に天ぷらと決めている。さっきまで動いていたイカは、天ぷらになってもコリコリしている。骨もないので、子どもも喜んで食べる。塩で食べて、天つゆでも食べる。至福のひとときだ。

【写真を見る】新鮮すぎるイカ刺しに、お手頃すぎる舌平目《九州一存在感が薄い県》にお宝ザクザク「外に出られない」佐賀、その実力と哀愁(41枚)
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