爆弾のような筒の形をした糸切り羊羹には、導火線のような糸がついている。県外に出るとき土産に何本か持っていくし、これまた母からも送られてくる。
2006年発行のくだんの本には「羊羹消費日本一の佐賀」とあった。たしかに、人口5万人の小城市には羊羹の店が二十数軒あり、「羊羹のふるさと」と言われている。さすがシュガーロードが横切る佐賀。
なんだか誇らしくなって最新の家計調査(2023年〜2025年平均)を調べてみた。本とは統計の取り方が違うが、佐賀市の羊羹支出額は全国6位。あれ、日本一じゃないんかい。これぞ、佐賀。この抜けきれない感じがいいのだ。ちなみに1位は福井市だった。
そうはいっても、佐賀の羊羹には逸話もある。小城市の老舗「村岡総本舗」には、ラストエンペラー溥儀(ふぎ)の弟が小城羊羹を求めて来店したという。羊羹は日持ちする保存食として、海を渡った菓子なのだ。どぎゃん?(佐賀弁で「どや」と自慢する言葉です)
それなのに、私が推す祐徳稲荷羊羹ときたら、砂糖たっぷりのくせに寒天仕立てで、日持ちは短い。しかし、やっぱりうまい。
本当にうまいものは、佐賀から出られない
書いていて、つくづくわかったことがある。白玉饅頭は本日中。羊羹も思ったより日持ちしない。温泉湯豆腐は通販できるようになったが、言っても豆腐。本当にうまいものほど、佐賀から出られないのだ。くうう。
でも同時に、歴史や土地が育んだうまいもんが佐賀にもあるばい!と思えてきた。外に持ち出せるものが少ないからこそ、佐賀まで食べに来てほしい。
なに?グルメだけでは、訪れる理由として弱い?地味?それなら後編で、佐賀のいいところも紹介すっけん。


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