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ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

新鮮すぎるイカ刺しに、お手頃すぎる舌平目《九州一存在感が薄い県》にお宝ザクザク「外に出られない」佐賀、その実力と哀愁

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「来久軒」の豚骨ラーメン
佐賀に帰ると訪れる武雄市の老舗「来久軒」の豚骨ラーメンは、生卵を乗せるのが「当たり前」だ(写真:筆者撮影)
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ちなみに佐賀のラーメンといえば、生卵をのせるのが当たり前らしい。筆者はのせない派だが、来久軒のメニューにも生卵入りラーメン(950円)があり、特製ラーメン(1100円)にはたっぷりのチャーシューと生卵がのっている。

生卵入りラーメン。卵黄だけのため、スープが濁らず、澄んだまま飲むことができる(写真:筆者撮影)

なぜ生卵なのか。2025年11月16日発刊の西日本新聞の記事によると、始まりは佐賀市の「一休軒」。1958年10月、創業者の大串進さんが、大ファンだった西鉄ライオンズの日本一に上機嫌になって、「チャーシューを花びらのようにどんぶりいっぱいに広げ、真ん中に生卵をのせる」贅沢な一杯を作ったことが始まりとなり、佐賀ラーメンの発祥となったそうだ。

生まれてはじめて食べた生卵入りラーメンは、クリーミーなスープが生卵でいっそうまろやかに感じられた(写真:筆者撮影)

この機会に、筆者も生卵入りラーメンを食べてみた。クリーミーなスープが生卵でいっそうまろやかに感じられる。生卵といっても、入っているのは卵黄だけのようだ。生卵を割った時にスープが濁るのが苦手なのだが、このラーメンは卵黄を割って麺に絡めて食べても、スープが濁ることなく、おいしくいただくことができた。

麺つながりで言えば、佐賀では、ちゃんぽんもよく食べる。ちゃんぽんって長崎でしょ? という声も聞こえてくるが、長崎だけじゃない。メディアにもよく取り上げられる、野菜たっぷりちゃんぽんで有名な「井手ちゃんぽん」という名店もあり、地元の人だけではなく、今では観光客も行列を作る。ちゃんぽんの看板を掲げる店が多く見られるのも、佐賀の当たり前の風景だ。

そう言えば、ラーメン屋によく連れて行ってくれるばあちゃんが頼む出前は、なぜかいつもちゃんぽんだった。休日の昼ご飯は、フライパンひとつでできるちゃんぽんをぱぱっと母がよく作ってくれた。

麺が見えないほど野菜が山盛りの「井手ちゃんぽん」の一杯。お腹いっぱいになっても、気持ちはヘルシー(写真:筆者撮影)

ムツゴロウは、食べません

「佐賀の人って、ムツゴロウ食べるの?」と10人にひとりくらいの確率で聞かれる。答えは、ノーだ。
ムツゴロウは、有明海の干潟で跳ねている体長15センチほどのハゼ科の魚である。

有明海の干潟にいる、ハゼ科の魚ムツゴロウ(写真:mae shin / PIXTA)

たしかに、干潟に面した道の駅やサービスエリアで、ムツゴロウの佃煮や、姿そのままがグロテスクな干物が売られているのを目にする。しかし、佐賀生まれ、46歳の筆者は、まだ一度もムツゴロウを食べたことがない。佐賀といえば……のお土産用だと思っている。

サービスエリアで見つけた、有明海の珍魚ムツゴロウと「ワラスボ」との干物(写真:筆者撮影)
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