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ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

新鮮すぎるイカ刺しに、お手頃すぎる舌平目《九州一存在感が薄い県》にお宝ザクザク「外に出られない」佐賀、その実力と哀愁

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「来久軒」の豚骨ラーメン
佐賀に帰ると訪れる武雄市の老舗「来久軒」の豚骨ラーメンは、生卵を乗せるのが「当たり前」だ(写真:筆者撮影)
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この白玉饅頭について、以前から気になっていることが2つあった。

1つは、佐賀の大和インターを降りたところに、3軒の白玉饅頭の店が集まっていることだ。なぜこんなにも近くに同じ白玉饅頭店が……と思っていたが、前述の本によると、近くの與止日女(よどひめ)神社の門前菓子だった名残だそうだ。かつてこの周辺には肥前国府が置かれ、中国との交流もあった。米どころの揚子江流域に伝わる餅がルーツだろうとも書かれていた。

もうひとつの疑問は、賞味期限が1日しか持たないことだ。土産として遠方にも持っていきたいのに、博多駅や福岡空港では見かけたことがなく、どこでも手に入るわけではない。

売り場のポップによると、毎朝、その日に売り切る分だけを作って配達しているそうだ。保存料も使っていない。うるち米の餅は翌日には硬くなる。作りたてを届けられる距離で売っている菓子なのだ。本には、こんな言葉も残っていた。

「白玉饅頭はお菓子の刺身」

甘さ控えめのさらりとした餡も、生地といっしょに口の中でほどける(写真:筆者撮影)

なるほど。イカは活きたまま食べる、くちぞこは鮮魚、菓子まで刺身。佐賀グルメは、そのうまさと引き換えに、日持ちをあっさり捨てているのだ。

だからときどき、事故も起きる。大学時代、白玉饅頭が好きすぎる私に、母が仕送りの箱に入れて送ってくれたことがある。開けると白い肌に、赤、緑、黄色、三色のカビ。数日は持つと母も甘くみたのだろう。いやいや母よ、サービスエリアのレジでも念を押されるやないか。

「お召し上がりは、本日中です」って。そいが佐賀やけんね。

白玉饅頭のポップ。毎朝製造の出来立てが並んでいる(写真:筆者撮影)

羊羹消費「日本一」のはずが…これぞ佐賀

そうそう、もうひとつ愛してやまない地元の菓子があった。祐徳稲荷羊羹(ゆうとくいなりようかん)だ。その名の通り、祐徳稲荷神社の参道にある店の菓子である。参道中腹の真っ赤な看板に、堂々と商品名が掲げられている。

祐徳稲荷神社の門前に店を構える「新油屋」。名物は、筒入りの「稲荷ようかん」だ(写真:筆者撮影)
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