1つの答えを、アメリカ心理学の父と呼ばれるウィリアム・ジェイムズが残している。
ジェイムズは、「考えること」だけでは決められない場面を、「正真正銘の選択」と呼んだ。そして、知的な根拠では決着がつかないとき、感情によって決めることは許されるし、人にはそう決める権利がある、と擁護した。
ただし、いつでも「考えるより感情を優先せよ」と言ったわけではない。彼は、3つの条件を挙げている。
理屈よりも感情を優先するときの3つの条件
1つめは、それが「生きた選択」であること。自分にとってリアルに迫ってくる可能性のあいだでの選択だ。たとえば「火星で禅者になる」は、多くの人にとって、想像はできても現実味のない「死んだ選択肢」にすぎない。
2つめは、逃げ道のない、避けられない選択であること。どちらかを選ばずにはいられない局面だ。仕事を引き受けるか断るか、締切が迫っている。保留したところで、締切を過ぎれば「断った」のと同じになる。選ばないこともまた、1つの選択なのだ。
3つめは、些末ではなく、重大であること。昼食を何にするかではなく、その後の生き方を左右するような、重みのある選択である。
考え抜いても決着がつかず、この3つが揃うとき、感情で決めていい。ジェイムズはそう言う。

