これまでの流れを整理する。スズキは2025年1月30日にジムニー ノマドを「4月3日発売」と発表したものの、発表から4日後に受注を一時停止するという状況に陥った。
理由は、目標販売台数が月間1200台なのに対して、発表直後の実質3日間で受注が約5万台に達したからだ。
単純計算で3年半分に相当する、爆発的な売れ方である。5月30日には7月から生産計画を月約3300台に増産すると発表したが、それでも初期受注をさばくのに増産前の状況も含めて1年半以上かかる計算だ。
こうした状況に陥ることを、スズキはまったく想定していなかった。はっきり言えば、当初の営業計画が的外れだった。
想定外の受注は“嬉しい悲鳴”だが…
2025年1月30日に都内で実施された記者会見を取材したが、国内営業担当責任者は「ジムニーやジムニー シエラ(の納車を)お待ちのお客様のご要望を丁寧にお聞きしたうえで、ジムニー ノマドへの受注切り替えを検討していただくこともあり得る」と発言した。
2018年7月に発売を開始した軽自動車「ジムニー」と、それをベースにした登録車3ドア「ジムニー シエラ」も発注開始初期から1年以上待ちが定常化するほどの人気があり、それから6年半が経過してジムニーノマド発表に至った時点でも、ジムニーとジムニー シエラはバックオーダーをかかえていたのだ。
そのため「現在お待ちの方はジムニー ノマドもご検討ください」という営業戦略だったが、蓋を開けてみれば大量受注で受注停止に。
これをメーカーにとっての“嬉しい悲鳴”として片付けてよいものだろうか。ユーザー視点では、メーカーの市場動向を読み解く力に対して疑問が残る。
打壊策として、スズキは2026年1月30日に一部仕様変更の発表と受注再開の案内を通知。受注再開において、1月30日から2月28日までは、全国のスズキ販売店店頭で抽選の申し込みを受け付けた。

