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なぜ日本は「豊かでも幸せでない」のか…歴史に残る「ワールドカップ頭突き事件」に見る「個人主義」と「集団主義」の差

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サッカーチームの子どもたち
国によって幸福度が違う? その背景にあるもの(写真:Peopleimages/PIXTA)

INDEX

この世界には、「幸せになりやすい国」と「幸せになりにくい国」があることをご存じだろうか。
そして、日本は後者なのではないかと、うすうす感じている人もいるかもしれない。
実際、日本は高い経済水準を誇りながら、国民の幸福度は不思議なほど低いといわれている。
では、私たちを幸せから遠ざけているものとは何なのか。
そのカギを握るのが、個人の意思や感情よりも、周囲との調和や集団の都合を優先しやすい「文化」である。
韓国・延世大学で心理学教授を務める筆者が、大ベストセラーとなった著書『幸福についての世界でいちばん冷酷なお知らせ』の中で、ワールドカップ決勝で起きたジダンの「頭突き事件」を例に、国によって異なる文化が幸福に与える“好ましい影響”と“好ましくない影響”を考察する。

国によってちがう条件:英雄か暴力男か

フランスの元サッカー選手ジネディーヌ・ジダンの有名な「頭突き事件」を1つの例に挙げてみよう。

2006年のFIFAワールドカップ決勝戦、フランスとイタリアの試合中にサッカー史に残る奇異なシーンがくり広げられた。

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延長戦後半、自分のチームのゴールに向かって歩いていたキャプテンのジダンが、突然方向を180度変えて後ろから来ていたイタリアのセンターバック、マルコ・マテラッツィに頭突きをして倒した。ジダンは退場になり、フランスは結局負けた。

なぜ、ジダンはあの重大な瞬間にいきなり格闘技の選手に変身したのだろう?

のちに明らかになった内容によれば、マテラッツィがアルジェリア出身のジダンと彼の姉に対する侮辱的な発言をし、ジダンが憤慨したという。この心理戦に巻き込まれてジダンが爆発したようだ。

フランス国旗を胸につけた国家代表チームのキャプテンが、一瞬にして姉をかばう弟に急変した。

ジダンのせいで試合に負けたとは言い切れないが、延長戦での彼の退場は、フランスチームに決定的な損失をもたらした。それもワールドカップ決勝戦で。

みなさんがフランス人だったら、ジダンという人物にどんな評価を下すだろうか? 正義の男、あるいは個人的な感情に振り回された情けないやつ?

ここに文化の違いが見られる。

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