「スイーツ目当てで来店されたとしても、うちはやはり焼肉店。肉のクオリティで満足していただけなければ本末転倒です」
看板メニューの「熟成塊肉」には焼肉店としての本気が見える。この品質を支えるのは、梅岡さん自ら行う徹底した仕入れへのこだわりだ。プレミアムカルビでは一頭買いではなく、部位ごとに箱詰めされた「ボックスビーフ」を中心に仕入れている。
「希少部位を何千頭分と集めて商品化をお願いしました。アメリカなどに足を運び、あばらの特定の筋肉だけを削ぎ落とせないかなど、細かな商品開発を現地で直接交渉しています」
かつては「捨て値」同然だったハラミやタンが、世界的な需要増でロースより高値になるなど、牛肉相場は激変しているそうだ。
さらに近年の相場高騰を受け、梅岡さんは調達先の“多国籍化”も並行して行っている。
「仕入れる産地を分散しつつ、その時々で最も良い肉を選んでいます」
世界中を歩き回り、粘り強く交渉を続けて、良質な肉を手の届く価格で提供する。
こうした徹底した商品開発の姿勢が、スイーツづくりにも共通していたというワケだ。
焼肉とスイーツ、厨房をどう両立するのか
取材前、筆者は「焼肉とスイーツは、キッチンの運営において極めて相性が悪いのにどう両立させているのだろうか」という疑問を抱いていた。作業効率の悪さはもちろんのこと、生肉がスイーツに触れることがあれば大問題になり得るからだ。
プレミアムカルビはこの難題を、独自の店舗設計によって解決している。
一般的な飲食店は作業効率を優先して配置を決めるが、梅岡さんは「入り口にデザートのショーケースを置くこと」を先に決めた。
「お客様が店に入った瞬間『わあ、すごい!』と感動してもらえるような設計をするのが最優先事項でした」
入り口すぐにショーケース、その真裏に製菓専門の厨房を配置した。さらに中央に資材庫や休憩室を設けて、焼肉厨房を店舗の奥に置く。こうして生肉とスイーツの動線を完全に分離させた。
体制面でも、店舗スタッフを「肉」と「スイーツ」に分け、それぞれの持ち場に特化する仕組みを構築した。

