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夫が亡くなった後も私は「嫁」なのか?——配偶者の死後も続く義理の家族との関係、60代女性が選んだのは「死後離婚」

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夫の死後「義親を介護したくない」という人が“死後離婚”を選ぶケースが増えています(写真:viola / PIXTA)
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また、配偶者の死後、再婚を考える人もいるでしょう。その場合も「姻族関係終了届」を提出しない限り、亡くなった配偶者親族との姻族関係は解消されません。つまり亡くなった配偶者と再婚相手、両方の親族との姻族関係がある状態となります。大きなトラブルはなくても、2つも姻族関係があるのは“重い”と感じることがあるかもしれません。

「姻族関係終了届」は、義理の親族の承諾や許可を得る必要はなく、内緒で提出できます。つまり、「もう親族じゃない、関係ありません!」という切り札にすることも、「関係切れた」と密かにほくそえむこともできるというわけです(ただし義理の親族が亡くなった配偶者の戸籍謄本を取得するようなことがあれば、知られることになります)。

親族関係を切れるのは自分だけ

「姻族関係終了届」を提出するデメリットは少ないと思います。(亡くなった)配偶者との関係が変わるわけではないので、配偶者の遺族年金を受給する権利が失われることはありません。

ただし2つ懸念があります。

1つは、「祖父母と孫」の関係は切れないという点。ようこさんには30代の長男、長女がいます。ようこさんと義弟・義母の親族関係は終了しても、ようこさんの子と彼らの関係は継続します。

ようこさんが関係を断つことで、義弟が次は甥姪に接近することがあるかもしれません。義母が孫に介護を求める可能性もあるでしょう。

ただ、祖父母と孫の関係が切れないが故のメリットもあります。亡くなった人の孫が子の代わりに相続する制度(代襲相続)があるので、ようこさんの子には、義母の遺産を相続する権利があります。

「姻族関係終了届」を提出する場合は、こうした事情を、子にもしっかり説明しておくことが大切です。もし、ようこさんの子が義弟に対し毅然とした態度を取れないと、負担はようこさんから彼らに移行します。また、子が事情を知らないと、「関係を絶つ」ことに対し、「おとうさんの親族なのに、“薄情”だ」と思うかもしれないので気を付けましょう。

2つ目の懸念は、配偶者が先祖代々の墓に入ってから死後離婚した場合。相手側との関係性によっては、墓参りや法要への参加が困難になるかもしれません。

法務省の戸籍統計によれば、2024年(令和6年)度の「姻族関係終了」の届出数は3627件でした。

(画像:法務省戸籍統計を参照し、編集部作成)

昔は、女性は結婚すると男性の家に入るという意識が強かったものです。いまだ、一定年代より上の世代には、残った考え方です。

結婚すると夫婦の新しい戸籍をつくります。提出するのは「入籍届」ではなく、「結婚届」。だというのに、「入籍する」という言葉は残ったままです。

特に女性の多くから、「“家”と結婚するのではない!」という声が聞こえてきます。もし亡くなった配偶者の親族と価値観が異なるとすれば、「死後離婚」はひとつの選択肢になり得ると思います。但し、一旦受理されると、取り消しはできないので慎重に検討を。

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