「PERを計算する場合の利益に、将来の値上がり益を含めるか否か」という問題についても触れておこう。
PERを計算するときの「利益」は、企業の純利益、またはそれを1株当たりに割ったEPSであり、株式を保有している投資家が将来得るかもしれない値上がり益、つまりキャピタルゲインは含めない。
日本経済新聞社の用語解説でも、PERは「株価を1株当たり利益で割って算出」し、通常は「今期の予想1株当たり利益に基づく予想PERを使う」と説明している。「利益」は企業の予想利益であり、株価の将来値上がり益ではない。
指数ベースPERは8カ月前から警戒水準
こうした点に留意して、実際のデータを見てみよう。「日経平均プロフィル」というサイトで「日経平均アーカイブ」→「ヒストリカルデータ」→「株価収益率(PER)」とたどっていくと、「加重平均」「指数ベース」という2つのPERを確認できる。
まず加重平均を見ると、5月半ば以降は17~18倍台で推移しており、15倍という基準値からあまり大きく乖離していない。つまり、「最近になって株式市場が過熱しているわけではない」という結論になる。
ところが指数ベースを見ると、6月15日に25倍台に到達しており、かなり高い。逆数で見ると、4%を切っていることになる。
なお、ここにはキャピタルゲインは含まれていない。つまり、将来さらなる株価の値上がりがないと許容できない株価水準といえる。
過去の値を見ると、今年1月時点で指数ベースPERは25倍台に達していた。また、25年10月には24倍程度だった。この頃に高市早苗氏が首相に就任したことに伴う「高市トレード」が生じたわけだが、すでに8カ月前から指数ベースPERはかなり高い水準になっていたことに注意が必要だ。

