従来からのエンジン車はベントレーにとって大事な商品だと、ドクター・ヴァリザー。一方、そこに集中するのも「ビジネスチャンスを逃す」とする。
「ラグジュアリーセグメントの競合は電気自動車を持っていますから、私たちだけがそれを手がけないのは、ひどい過ちになるでしょう」
いま、ベントレー モーターズが準備しているのは、BEV(バッテリー駆動EV)のSUV。「ベンテイガ」(全長5.1m×全高1.7m)よりコンパクトな4ドアだと噂されている。
シャシーは、ポルシェ「マカン・エレクトリック」やアウディ「Q6 e-tron」と共用。
車名は、1948年に没したイギリスのベントレードライバー、ジョール・ウォルフ・バーナートにちなんで「Barnato」になるのでは、などと言われているものの、現時点ではほとんどのことが不明だ。
「エンジンサウンドはどうなる、と質問されます。ベントレー車で大事な要素ですから。それは、なんらかの形で楽しんでもらえるようにします」
ベントレーはドライバーのためのクルマ、と主張するドクター・ヴァリザーは言う。
「将来的にはほぼすべてのクルマが電動化されるでしょうが、時期は私にはわかりません」
できるだけ長くエンジン車を提供していく
かつて2030年までにラインナップのBEV化をうたっていたベントレーだが、先に紹介したスーパースポーツでもわかるように、エンジンもまた大事だと言う。
「V8エンジンを深く愛する顧客がいますから、エンジン車を作っていきたいと思っています。台数は多くないかもしれないし、限定モデルになるかもしれませんが、私たちは、できるだけ長くエンジン車を提供していくつもりです」
はっきりと提供価値を意識したCEOの発言だ。エンジンこそ高級車の根拠、という自動車好きの価値観に準拠したもので、それはよくわかる。
マカンサイズの電動SUVの台数が出れば(売れそう)、当面、EUの定めるCO2排出量も総量規制(新車の平均値)でクリアできるというのも、目論見のひとつかもしれない。

