「東京の三鷹あたりに、一軒家がポーンと建つくらいのお金は、すべてビートルズに流れていきました(笑)」
こっそり打ち明けてくれたのは、兵庫県赤穂市に住む岡本備(そなう)さん(75)だ。
人生を捧げた“究極の推し活”
2026年現在、世の中は空前の“推し活”ブーム。好きな対象に時間やお金を費やすライフスタイルは定着したが、岡本さんがイギリス発の伝説のロックバンド「ザ・ビートルズ」(以下、ビートルズ)に捧げてきた「62年」の歳月と熱量は、“推し活”の概念を遥かに超える。
集めたコレクションは2万点以上。ついには2016年、そのすべてを展示するための私設「ビートルズ文化博物館」まで作ってしまった。
ビートルズは、1962年のデビューから1970年の解散まで、実質7年半ほどの活動期間でありながら、世界中で10億枚以上の音盤を売り上げている。
1966年6月29日、ビートルズが来日を果たしたとき、日本中が狂騒に包まれた。岡本さんもそのひとりだ。14歳でビートルズに出会ってから魂まるごと4人の一挙手一投足に影響を受けてきた。深海にひとり、深く深く潜っていきながら、人生のすべてを彼らに捧げたのだ。
“究極の推し活”の生き様にふれるべく、「ビートルズ文化博物館」館長の岡本さんを訪ねた。

